死の淵をさまよって気づいたこと
死の淵をさまよいつつも、再び生の世界に戻ってくることができた私は、「楽しく生き切ることが自分に課された使命なのではないか」と思うようになりました。
なにかトラブルが起こったとしても、「どうやったら楽しみながら乗り越えられるだろう」と考えるようにもなったのです。
もともと工夫するのが好きなこともあり、それまでの生活習慣を見直し、自分の心や体にいちばんフィットするように変えていくことにしました。それは、私にとって、とても楽しいことでもありました。
ご家族と同居している方にはちょっと申し訳ないのですが、その中にはひとり暮らしだからできたことが少なくありません。
いまは大阪市の郊外にある大規模な団地の一角で、1DKの賃貸住宅にひとり暮らしをしています。
自由気ままにいろんなチャレンジをして「あれ、失敗した」と思っても、影響が及ぶのは自分だけ。家族を巻き込んだり、迷惑をかけたりすることはありません。
ひとり暮らしだからこそ、堂々と失敗できるんです。失敗したら次にまたチャレンジすればいいだけですから、気楽なものです。
そんなトライアル&エラーの末にたどり着いたのが、等身大の71歳、ひとり暮らしの生活術です。
もちろんこれで完成ではありません。これからも私はどんどん生活に工夫をこらしながら変えていくつもりです。
だって、変化するのってすごく楽しいですから。
年をとるということは経験を重ねながら変わっていくということ。だから私は年齢を重ねることが少しも怖くありません。むしろ大歓迎なのです。
そんな私の生活の楽しみ方を、これからすべてお伝えしたいと思います。
みなさんにも知っていただき、参考にしていただければ幸いです。
1952年大阪府生まれ。父親が会社を経営する裕福な家庭に生まれ育つ。裕福な家庭に嫁ぎ、3人の子宝に恵まれたものの離婚。子どもたちとともに実家に戻るも、父親が営む会社が倒産し、住む家を失う。貯金も底をつき、子どもたちとともに食べていくため、体当たりで働いた整体院でつかんだノウハウをもとに独立した。しかし、61歳で末期寸前のがんに。不安を抱えながらの人生も、小さなことは気にせず、料理・手芸・洋裁・DIY・パソコンなど、お金をかけずに今を楽しんで毎日を送っている。現在、大阪市郊外の団地でひとり暮らし。