現金は衛生的でない

2つめ。ここ数年で、現金の利便性はどんどん下がっています。現金での支払いの場合、いつ、どこで使ったかを振り返れませんし、直接顔を合わせないとやりとりできません。何より衛生的とはいえません。この傾向は、新型コロナウイルスの流行によって、ますます顕著になりました。

要するに、時代は着実に「脱・現金」の方向に流れているということです。今後は、もしかしたら「現金お断り」という店舗が増えていくかもしれません。

それなのに、小銭をじゃらじゃらと持ち歩く生活にこだわる理由はない、といっていいのではないでしょうか。

手のひらに500円硬貨2枚と1円玉をのせている
写真=iStock.com/yaophotograph
※写真はイメージです

「現金なら、踏みとどまれる」派に言いたいこと

“でも先生? 衝動的に欲しいものがあるときに、財布から直接お金がなくなると思うと、踏みとどまれるんです”

永田 雄三『1000万円を貯めた女子100人がやったこと、やめたことリスト』(日経BP)
永田 雄三『1000万円を貯めた女子100人がやったこと、やめたことリスト』(日経BP)

現金払いでは、より「損失」を大きく感じるという調査はたしかにあります。

しかし、調査に云々いうよりも、「買わずに踏みとどまれるものを買おうとした」ことを、反省してほしいと思います。

「現金払いなら買わないけど、カード払いなら買う」ものは、あなたの人生に必要なものではありませんね。もっといえば、「欲しいもの」かどうかも疑わしい。一瞬の衝動で「欲しい」と思わされているにすぎません。

クレジットカードか現金か、という「払い方」ではなく、「必要かどうか」で「買うか買わないか」の区別をつけられるようになることは、1000万円貯めるための大事な一歩です。

「お金が貯まらない」のは、カードで払うからではない。➡いらないものを買っているだけ
永田 雄三(ながた・ゆうぞう)
ワイズアカデミー代表取締役社長

金融・投資コンサルタント。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。大学卒業後、日本生命に入社。若くして部長職に就任し、1000万円以上の年収となるが、会社員として働くことに疑問をもち、さまざまな投資を経験後、独立。その後、女性を中心としたお金の学びの場「富女子会」を東京、大阪、山口に立ち上げる。口コミだけで瞬く間に会員数が250人を突破する。現在も「女性が5年で1000万円を貯める」をテーマに講演会を開催し、これまでにファイナンシャル・プランニングを行った女性はのべ5000人を超す。クレジット会社、不動産会社など、多角的に事業を展開中。著書に『富女子宣言 20代女子が5年で1000万円貯める方法』(幻冬舎)、『富女子の「お金」論』(主婦の友社)がある。