リスクを抑えながらGPIFの運用成績を上回る
そんなわけで、現在(執筆時点)において、私のiDeCo資産は図表3の通りです。
ちなみに、途中から掛金額を2万円から2万3000円(私の上限額)に増額していますが、掛金の配分はそのままです。
なお、ある程度利益が出ている商品をこまめに利益確定して、その売却額を定期預金に振り分け待機させているも、前述の通り、出動の機会がないまま積み上がり、現在、保有資産の5割弱が定期預金となっています。
なので、掛金の配分はハイリスクながらも、保有資産はかなりリスクが抑えられた状態なのです。
そんな手堅い運用状況であることを踏まえれば、この運用利回り4.20%は、かなり健闘しているかと自負しております。
そして、冒頭で紹介したGPIFの運用成績ですが、市場運用を開始した2001年度から2022年度までの平均で、年率3.59%です。
わずかではありますが、私のiDeCoでの運用成績はこれを上回っており、自慢の種にしております。
ちなみにGPIFでは、「国内株式25%・国内債券25%・外国株式25%・外国債券25%」の資産配分を基本とし、長期運用によって、安定的な収益を得ることを目指しています。
資産運用を成功に導く「最強の考え方」
そんな私のiDeCoでの運用ですが、では、これは成功なのかと問われれば、その判断は難しいところです。
しっかりプラスリターンとなっていて、また、GPIFの運用成績を上回っていることから、これは成功だと言いたいところですが、掛金の「攻めた」配分から見れば、4.20%では物足りないとの見方もできます。また、保有資産のうち、約半分もの資金を定期預金に寝かせたままでもったいない、との声もあるかもしれせん。
ですが、私は、大成功だと思っています。
なぜなら、掛金額2万円(途中から2.3万円)は、「もともとはなかったお金」と考えているからです。
実際、iDeCo掛金を捻出するべく、サブスクと通信費の見直しで捻出したお金なので、iDeCoを始めていなければ、今なお、(とくに必要ないままに)引き落とされているお金です。
であれば、運用成果など関係なく、今現在の保有資産約200万円が、丸々「儲け」と言っても過言ではありません。
ちょっと屁理屈っぽいかもしれませんが、このように「投資資金は、もともとはなかったお金」と考えることができれば最強で、これはある意味、iDeCoでの運用に限らず、投資必勝法かもしれませんね。
いろいろ意見あるとは思いますが、少なくとも精神衛生上は、(とくに、投資でアレコレ気になってしまう人にとっては)非常に有効な考え方だと思っています。
1977年大阪府大阪狭山市生まれ。大阪市立大学文学部哲学科卒業後、尼崎信用金庫を経て、2001年に藤原ファイナンシャルプランナー事務所開設。現在は、主に資産運用に関する講演・執筆等を精力的にこなす。また、大阪経済法科大学経済学部非常勤講師としてファイナンシャルプランニング講座を担当する。著書に『株、投資信託、FX、仮想通貨… ファイナンシャルプランナーが20年投資を続けてみたらこうなった』(彩図社)など。