新NISAやiDeCoで資産形成を有利に進めるにはどうすればいいか。ファイナンシャルプランナーの藤原久敏さんは「運用の基本原則さえ押さえておけば、世界トップクラスの年金運用機関の利回りを超えることも可能」という――。
データや統計を用いて分析している二人の手元
写真=iStock.com/Kobus Louw
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新NISAより節税面のメリットが大きいiDeCo

ちまたでは、来年からスタートする新NISAが話題ですが、iDeCoもまた、大きな節税メリットをもつ、資産形成手段の一つです。

私自身、40歳を機にiDeCoを始め、約7年間が経過しました。

そして現在、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用実績を上回る成果を、着実に上げています。

なお、GPIFとは、国民年金・厚生年金の積立金の管理・運用を行う組織で、運用資産額は世界トップクラス。その投資戦略や運用実績は、長期投資における大きな目安とされています。

今回は、そんな私のiDeCoでの運用内容を、リアルに公開したいと思います。

iDeCoとは個人型確定拠出年金制度のことで、毎月一定額を積み立て、その資金を自身で運用する、自己責任の年金制度です。

NISA同様、運用益が非課税となるメリットがありますが、それに加えて、掛金額が全額所得控除となり、所得税・住民税が安くなるというメリットもあります。節税面だけを見れば、NISAよりもメリットは大きいのです。

40歳になればiDeCoのデメリットも薄れる

ただ、NISAに比べると、「手続きが少々面倒」「手数料がかかる」「加入年齢に上限あり(65歳まで)」といったデメリットもあり、とくに「原則60歳まで引き出せない」との縛りから、若い人の中には躊躇する人も少なくありません。

実際、私も(若い頃は)躊躇していたのですが、40歳ともなれば、「60歳まであっという間だろうな」と思い、iDeCoを始めたのでした。

iDeCoでは、まず、毎月の掛金額を決めます。

そして、窓口に指定した金融機関(銀行や証券会社等)の商品ラインアップの中から商品を選び、その掛金額を、各商品に振り分けます。

たとえば、掛金額が1万円なら、Aに10%(1000円)、Bに30%(3000円)……と、さながら予算内で遠足のお菓子を選ぶような感覚で、なかなか楽しい作業でもあります。

なお、多くの金融機関の商品ラインアップは、投資信託を中心に20~40本程度となっています。