「幸せな人は長生きする」は研究で実証されている

こうした生理的な変化は、短期的にも長期的にもあなたを助けてくれます。幸せな人は長生きする、ということは多くの治療者が昔から知っていたことでしたが、数々の研究によって明らかにされています。

最近のある研究では、高齢者が平均的な日に幸せを感じていると自己申告した場合、5年間で死亡する確率が最大35%減少しました(※6)。国連による「世界幸福度報告(2019年)」のランキングで、世界で最も幸福度の高い上位10カ国は、平均寿命の上位20%にも入っています(※7)

多くの寛解者は、がん細胞は単に健康な細胞がダメージを受けたもので、修復して治す必要があると考えています。しかし、従来の医学では、がん細胞は損傷を受けた細胞であることには同意するものの、がん細胞は修復不可能であると考えられています。

がん細胞は毒素やウイルス、細菌、ミトコンドリアの障害、または遺伝子変異のいずれかによって損傷しているため、化学療法や放射線、手術によって破壊しなければならないというのが従来の医療の考え方です。この考え方では、がん細胞は身体から切り離されており、攻撃に値すると仮定しています。

しかし、多くの治療者や劇的寛解者たちは、がん細胞はかつて健康な細胞だったので、破壊するのではなく治癒すべきだと考えています。

がん患者が抱く恐れや罪悪感

注意しなければならないのは、劇的寛解を果たした人たちは、つねに幸せを感じている楽観主義者ではないということです。健康上の危機を経験しているときに、いつも幸せな気分でいることは不可能でしょう。

その代わりに劇的寛解者は、歯を磨く習慣と同じように、数分間の幸せを日常生活に取り入れるよう意識的に努力しています。彼らは幸せを、生まれ持った性格やその時々の気分ではなく、毎日練習しなければならないスキルと見なしています。

そのため、彼らは毎日少なくとも5分間、何らかの方法でポジティブな感情を高めるための時間を確保しているのです。

劇的寛解者は毎日5分間、幸せを感じることを自分に許すことで、「病気を治そうとしている人はつねに幸せを感じようとすべきだ」という誤った考えを回避できます。

多くの患者は、「毎日、毎秒幸せを感じなければ、がんが進行してしまうのではないか」という怖れや罪悪感を抱いている可能性があります。中には「幸せそうな顔をして」、ネガティブな感情を抑えようとする人もいるかもしれません。

つねに幸せを感じるのは不可能だという現実を認めることで、劇的寛解者は恐怖や悲しみ、不安を表現する必要があるときを受け入れられるようになります。ここでの目標は感情的な自由であり、恐怖や怒りといった不快な感情を感じ、そして解放し、より本物の喜びと愛の瞬間を体験することです。