高所得世帯の子の奨学金は無利子ではない

世帯年収1000万円を超えるのは全国でも約1割。そのため裕福だと感じる人も多いでしょうが、必ずしもそうとは言えません。夫婦二人ならある程度は貯蓄もできるし、比較的余裕をもって暮らしていくことは可能です。しかし、お子さんがいる場合は一概にそうとは言えず、子どもが多くなるほど余裕がなくなっていく家庭が多いのも事実です。

2021年厚生労働省「国民生活基礎調査」より

アパートの窓から夕日を眺めている少女
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一般的に、小学校から大学まで公立校へ通う場合の子どもの養育費は1人当たり約3000万円かかるといわれています。学費や習い事、教材費などの教育費、そして育て上げるためにかかる費用など、すべて加算した金額です。一方、私立校へ通った場合は、その1.5~2倍になります。つまりすべて私立であれば、子ども1人の養育にかかるお金が、4500万〜6000万円近くなるということ。年収が高い世帯ほど子どもの教育にお金をかける傾向があり、人知れず精神的な負担につながっている方も少なくありません。

親が資産設計をしっかりしなければ子どもの人生に負担をかけることになりかねません。大学へ進学しても親の援助は望むべくもなく、奨学金を借りるなどで、子どもが長い期間返済をし続けないとならなくなります。世帯年収が1000万円以上の高所得世帯であれば、奨学金は有利子となるので返済負担もさらに増します。親が一歩間違うと子世代、孫世代の負担として積み重なっていくこともあり得るのです。

子育て世帯では、教育費に加えて住宅ローンも抱える時期が特に大変ですから、子どもが小さいうちから資産設計をしていくことが望ましいのです。

会計専門家
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資産設計で大事なポイントは、将来に備えたライフプランを見据えられるかということ。人間は弱い生き物なので、明確な目標がないとそこに向かって行動することができないものです。例えば、自分たちがいつリタイアしたいと思っているのか、それまでにお金をどう貯めたいのかなど、目標がないとお金は貯まりません。