まずは同調圧力の存在に気付く
しかし、ビッグモーターの不祥事が明るみに出たのは、内部告発だったといわれます。
ビッグモーターの件に限らず、こうした同調圧力にあらがって声を上げた人は、告発することでどんな代償を負うか考え、悩んだと思います。今の職場にいられなくなるのではないか、収入がなくなるのではないかと考えたりもしたでしょう。そう考えると、誰もができることではないと思います。
ですからまずは、勤めている会社がブラック企業であるかどうかにかかわらず、誰もが同調圧力の存在に気付き、バランスを取ることを考えてみてほしいと思います。自分がどれぐらい同調圧力に従っているのかに、意識を向けてみるのです。50%ぐらいなのか、100%従っているのか、意識してみることがスタートです。気付かず流されているという状態から脱することが第一歩です。
圧力に従わなくても存在できる
明らかな犯罪行為であれば、0、つまり全く従わないという選択肢をとるべきですが、そうでなければ必ずしも、すべてについて「全く従わない」、つまり「0」の行動をとる必要はありません。「同調圧力をすべて否定するわけではないけれど、完全に受け入れているわけではない」といった、距離を取った接し方をし、こうした圧力に従うのであれば、「自分で選んで、ここはあえて同調圧力に従っているのだ」という感覚を忘れないでいてほしいです。
また、強く否定して波風を立てるのではなく、ちょっととぼけたキャラクターを演じてみたり、「そういう考え方もあるんですね」とふんわり距離を取るような接し方、関わり方をしてもいいと思います。
会社というのは、確かに同調圧力が生まれやすく、一見、秩序が保たれ統率が取れているように見えますが、必ずどこかに、そういった同調圧力に従わない人たちがいるものです。ちょっととぼけた天然キャラクターの人、組織の中でちょっと浮いていて、「変わった人」「浮いてる」と言われつつも、なぜか「そういう人だからね」と許されている人です。ですから、会社の中では「誰もが同調圧力に従っていないと存在できない」わけではないですし、そう思い込まないでほしいです。