投資判断の引き上げで日本に投資マネーが集まる

7月12日の日本経済新聞「外国人と日本企業つなぐ コロナ後、人手不足強く」との記事が掲載されました。2021年に創業したスタートアップのNGAが企業と就職希望者をマッチングするアプリの英語版を世界173カ国に投入するといいます。

コロナ後の人手不足が続く中で、海外の有力大学と提携して人を呼ぶのです。いよいよ世界のヒト、モノ、カネが日本に集まる動きが出ています。

また同じ日に「米欧運用会社、相次ぐ投資判断上げ 日本株に変革期待」との記事もありました。世界最大の運用会社であるブラックロックは、これまで日本への投資判断を「弱気」としていましたが、「中立」に変更しました。欧州最大級の運用会社であるアムンディも「やや弱気」を「中立」に変更、英国の運用会社であるシュローダーも「弱気」を「中立」にしました。

このところ日経平均株価は急激に上昇し、バブルではないかと心配している人もいるでしょうが、いまだ「弱気」を「中立」に戻した程度です。ブラックロック、アムンディ、シュローダーは日本に拠点がありますから、日本をよく理解しています。彼らがようやく「中立」にしただけです。まだ「強気」ではありません。日本を全く知らない外国人投資家が山ほどいます。彼らはブラックロックなどの判断の変更を見て、日本に参入してくるでしょう。そのとき真っ先に買われるのはソニーなどのグローバル企業です。

ドルマークとチャート
写真=iStock.com/MicroStockHub
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米国のキーマンが次々と訪中する意味とは

7月17日の日本経済新聞には「中国恒大の最終赤字、2年で計11兆円 不動産の評価下げ」との記事が掲載されました。中国不動産大手の中国恒大集団が発表した2021年12月期と22年12月期連結決算によると、2年間の最終損益合計が約5800億元(約11兆2000億円)の赤字となり、債務超過に転落しました。

そんな中、ジョン・ケリー米大統領特使(気候変動問題担当)が訪中して、7月18日に外交トップの王毅共産党政治局員と北京で会談しました。そして7月20日には100歳になるヘンリー・キッシンジャー元米国務長官が訪中して、習近平国家主席と会談しました。

米国のキーマンが訪中する流れはしばらく前から続いています。最初に訪中したのはビル・ゲイツ氏です。6月16日に習近平主席と会談しました。その後、6月18日にアントニー・ブリンケン米国務長官が5年ぶりに訪中しました。さらに7月7日にはジャネット・イエレン米財務長官が訪中し、李首相と会談しています。

中国は、米国債を大量に保有していますが、最近はそれをどんどん売っているようです。「あまり売りすぎないように」とイエレン氏が話をしたのではないでしょうか。