有力な相談相手は地域の教育相談機関

親にとって最初の相談相手は、学校の先生になります。子どもが欠席するときは学校に連絡し、担任の先生とやりとりすることになるからです。親御さんは、そこで先生がパートナーに足りうるかどうか感じとってほしいですね。教師がみんなよきパートナーになるかどうかはわかりませんので。

登校しぶりが何日か続き、親としてはお手上げかなと思ったら、学校は学校で考えていただきながら、親御さんは学校から一歩距離をおいた、地域の教育相談機関に相談するのがおすすめです。教育相談機関では、教育相談はもちろん、子どものカウンセリングやプレイセラピーもしてくれます。学校のこともよく知っていますし、学校と横並びの機関ですから連携をとりやすいのもメリットです。

まず子どものケアに手を貸してくれるところでやってみて、長引いてきたら児童精神科など医療の手を借りるというステップがよいでしょうね。いきなり児童精神科に行って薬を出されるのは考えもの。その前に環境を整えることが大事になります。

構成=池田純子

齊藤 万比古(さいとう・かずひこ)
恩賜財団母子愛育会愛育相談所所長,医療法人社団翠松会松戸東口たけだメンタルクリニック

千葉大学医学部卒業。国立精神・神経センター精神保健研究所児童思春期精神保健部長。独立行政法人国立国際医療研究センター国府台病院精神科部門診療部長。恩賜財団母子愛育会 総合母子保健センター愛育病院小児精神保健科部長を経て現職。松戸東口たけだメンタルクリニック医師