「見えない掟」を見極める

橋下徹『折れない心 人間関係に悩まない生き方』(PHP新書)
橋下徹『折れない心 人間関係に悩まない生き方』(PHP新書)

外部人材を登用する際、成功例となるのは、組織の「見えない掟」を見抜いたうえで、「絶対にこれは変えなくてはいけない掟」と、「変えなくてもいい掟」の見極めができる人物です。おかしな「掟」に従っている組織内メンバーに対しても、しっかりと仕事をやっていることに敬意を持ち、おかしな掟についても、自分がすべてを変えるのではなく、組織内のメンバーたちとしっかり手を携たずさえて、協働して変えていこうという姿勢を持つことが成功を導きます。

反対に、失敗する外部人材というのは、ことごとく自分のほうが絶対的に正しく、能力も富んでいると思い込んでいるケースです。役所に入ってくる民間人に非常に多い。要するに、組織内のメンバーを下に見てしまう。「俺に(私に)すべて従うべきだ」という姿勢は、周囲のモチベーションを下げるだけでなく、反感をも生んでしまいます。

橋下 徹(はしもと・とおる)
元大阪市長・元大阪府知事

1969年生まれ。大阪府立北野高校、早稲田大学政治経済学部卒業。弁護士。2008年から大阪府知事、大阪市長として府市政の改革に尽力。15年12月、政界引退。北野高校時代はラグビー部に所属し、3年生のとき全国大会(花園)に出場。『実行力』『異端のすすめ』『交渉力』『大阪都構想&万博の表とウラ全部話そう』など著書多数。最新の著作は『折れない心 人間関係に悩まない生き方』(PHP新書)。