収入も支出も変動が大きい

例えば企業オーナーや医師、タレントといった人たちは世間的には高収入と思われているでしょうし、恐らく彼らの多くにとって、それは事実でしょう。ただ、彼らの収入はサラリーマンと違って変動が大きいのです。すなわち、儲かる時とそうでない時の落差が大きいということです。

さらに支出も、同様に変化率が大きいと言えるでしょう。例えば自営業やオーナーで言えば、状況を見て大量の商品仕入れが発生したり設備投資をしたりといった想定外の支出が出てくることがありますし、タレントなどは自分のイメージを維持しようとして生活にそれなりのお金をかけるでしょうから、結果として意図せざる支出が発生することが多くなります。

クレジットカード
写真=iStock.com/JayKay57
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その点ではむしろサラリーマンの方が資産作りに成功する可能性が高いと言えます。なぜなら、収入は安定しているし、それなりに計画的に管理していれば、予定外の支出などはそうそう出てくるものではないからです。実際に私が今まで見てきた資産家と言われる人の多くは、実は普通のサラリーマンだったというケースも多いのです。

庭の草刈りをしながらコークを飲む億万長者の地味な生活

『となりの億万長者』にも、いわゆる億万長者と言われる人はとても地味な生活をしているということが書かれています。イタリア製の高級スーツを着て車はフェラーリ、毎晩パーティーに出かけてシャンパンを楽しむというのがお金持ちのイメージですが、実際はそんな生活とはほど遠く、通販で買った背広を着て車はフォードの中古、パーティーでシャンパンではなく、毎日庭の草刈りをしながらコークを飲んでいるというのが多くの億万長者の実際のライフスタイルだと言うのです。

これは考えてみれば当たり前の話です。いくら収入が多くても、フェラーリに乗って毎夜パーティーに出かけるような生活をしていたのでは、お金なんか貯まるはずがありません。

結局、1万人を超えるアンケートと500人に及ぶインタビューの結果わかった、全ての億万長者に共通するたった一つのこと、それは「収入以上に使わない」というごくシンプルで当たり前すぎるぐらい当たり前な話だったということです。