転職無双者の書類は、未来を想像させる「+α」がある

前項では選考書類を書く時のコツについて紹介しましたが、応募してくる人の中には、学歴や資格といった肩書がそれほどでなくても書類選考を全通過するという、いわゆる“転職無双者”が混ざっていることがあります。

そんな転職無双者たちは、書類選考で一体どんな工夫をしているのでしょうか。

その答えは、自分が取ってきた行動や成果を書くのはもちろんのこと、経歴の最初から最後までが一つの物語になっていることが挙げられます。具体的には書類審査する側が疑問に思う「なぜ(転職動機)」や「きっかけ(ご縁や偶然)」に対する答えがしっかりと書き込まれているのです。

握手をするビジネスマン
写真=iStock.com/kyonntra
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また、転職無双者は、自分が持つスキルや経験が、応募する企業のどの事業にどんな価値をもたらすかの未来像を示してくれているので、採用する側からすると、その先活躍する具体的なイメージが持ちやすくなるというわけです。例えるならば、まだ付き合っていない男女の片方が「もし付き合ったらディズニーランドに行ってこんな乗り物にに乗って……」といった感じで、両者の明るい未来を想起させることで、相手をその気にさせていくのと同じかもしれませんね。

【図表3】転職無双者の書類に書かれていること
図表作成=筆者

私自身、書類審査に関わる中で、自分をうまく出し切れていない書類を見てもったいなく思っていました。逆に肩書がなくても評価が高く、即審査OKを出した書類もたくさんあります。ぜひ相手に伝わる書類を用意して、理想の会社への転職を成功させてもらいたいと思います。

岡田 充弘(おかだ・みつひろ)
クロネコキューブ代表取締役

外資系コンサルティング会社を経て謎解き企画会社『クロネコキューブ』を設立。700にもおよぶパソコン時短ワザを集めてマニュアル化している。著書に『爆速パソコン仕事術』(ソシム)『結果もスピードも手に入る 神速スマホ仕事術』(すばる舎)『やりたいことを全部やれる人の仕事術』(PHP研究所)『やめるだけで成果が上がる仕事のムダとり図鑑』(かんき出版)『ビジネスマナーと仕事の基本 ゆる図鑑』(監修)(宝島社)ほか。