個人的なこととして受け止めない
大勢の人から嫌われているという相談者の上司の方は、おそらく何を考えているかは、わかりやすい人なのではないでしょうか。
何に関しても否定的とのことですが、思考を読み取るのは難しくないように思えます。
そうであれば、「問題はあるが、まだ大丈夫なレベル」と捉えることができます。
否定されても、できるだけ意識的に、「個人的なこととして受け止めない」ようにしてみましょう。そうすれば気にならなくなるとは言いませんが、受け流すには、効果的な場合があります。
否定するからといってあなたを嫌っているわけではない
上司の方がネガティブで否定的な態度を取るのは、相談者の方に対してだけではないとのこと。否定的な人は、相談者の方がいなければ、他の人に同じように否定的なことを言っています。そして、周囲に誰もいなければ、一人で否定的なことを言っているものです。
また、否定するからといって、必ずしも相手のことを嫌いでないことが多いのも特徴です。
もし相談者の方が会社の御曹司であれば、上司の方も否定的なことは言ってこないでしょう。しかし一般の社会人であれば、これを社会勉強と考え、折り合いをつけるのも、乗り越えるための1つの方法です。
つらい面が多いとお察ししますが、そんな体験もしている人のほうが、年齢を重ねてからは周囲から信頼されやすくなるものです。
まさに相談者の方が願っておられるように、会社の人たちは、誰かが我慢の限界を感じて、その上司の方を怒鳴りつけてくれないかと望んでいらっしゃいますから、ご自分がそうはならないように気をつけたいものです。
もともとグローバル人材育成を専門とする経営コンサルタントだが、近年は会社組織などに存在する「ハラスメントの行為者」のカウンセラーとしての業務が増加中。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科では、非常勤講師としてコミュニケーションに関連した科目を受け持っている。著書に『好きになられる能力 ライカビリティ』(光文社)『英語で学ぶトヨタ生産方式』(研究社)『英語で仕事をしたい人の必修14講』(慶應義塾大学出版会)など多数。