※本稿は、安斎響市『すごい面接の技術 転職活動で「選ばれる人」になる唯一の方法』(ソーテック社)の一部を再編集したものです。
本当の理由は要らない
「志望理由」は、面接で必ず聞かれる質問の一つです。確実に聞かれるとわかっている内容なのだから、しっかりと準備をして面接本番に臨みましょう。この質問だけで合否が決まることもあるくらい、重要な内容でもあります。
御社のことは、実は今までよく知らなかったのですが、転職エージェントから強く推薦されて、興味を持ちました。とても働きやすい環境の会社だとお聞きしておりますので、自分の希望に合うのではないかと考え、応募させていただきました。
NGポイント! 「本当の理由」は要らない
残念ですが、この回答は、点数をつけるとしたら確実に0点です。転職活動では、転職エージェントの担当者に「とにかく一度受けてみてください!」と強く勧められた会社をとりあえず受けることにした、というケースも実際に多いと思います。
しかし、面接で「志望理由」を聞かれて、「転職エージェントに紹介されたので」と答えるのは典型的な失敗例です。こういう回答をする人は意外といるのですが、あまりにも正直すぎます。
「転職エージェントに紹介されたので」という志望理由は、「特にこれといって志望理由はありません」と言っているのと大差はありません。これでは絶対に評価は上がりません。面接において、本音を語ることが良い結果につながるとは限りません。「その答え方で、相手は自分を雇いたいと思うのか?」を常に意識して、回答を練ってください。
その志望動機は「あまりにも普通」じゃないか
御社のサービスは世の中に広く浸透しており、ブランド力も強く、以前からあこがれを持っておりました。御社の経営理念にも非常に共感しており、もし採用していただけたら、御社のビジネスに少しでも貢献できるよう、一生懸命頑張りたいと思っております。
OKポイント! 志望理由は、具体的に
この答え方なら、NG回答に比べればかなりマシです。きちんと自分の言葉で「具体的に何に惹かれたのか」を語っている点は良いと思います。また、経営理念なども事前に調べて読み込んできた、というアピールにもつながりますし、「御社のビジネスに貢献したい」という熱意も伝えられています。
しかしながら、この回答内容も、(ちょっと辛口になりますが)大きく減点はされないがそれほど評価もされない「普通の回答」です。
なぜかというと、「サービスや製品に親近感を持っている」「会社のブランドにあこがれを持っている」「経営理念に共感した」といった志望理由は、あまりにも普通で、ありふれた回答だからです。つまり、「よくある志望理由」ということです。
転職活動の面接は、熾烈な競争です。最後の最後まで残った1人にしか内定は出ません。競争率の高い優良企業の内定を勝ち取るためには、もう一歩、工夫が必要です。GREAT回答を見てみましょう。