一緒に作戦を立てる

繰り返しになりますが、「算数が好き」という気持ちを失わせないようにサポートすることが重要です。そのためには、「好きだからたくさん点数が取れるはずだ」という足かせを外してあげましょう。

具体的には60点を取った子に対して、「お! 60点だったんだね。70点になるには、どの問題を正解したらよかったのかな」「60点まで取れたんだね! 80点になるには、この問題ができるとよさそうじゃない? じゃあ、80点を目指して一緒にがんばろうか」といった言葉をかけます。

点数をジャッジするのではなく、できるようになるにはどうしたらよいか作戦を立てることが重要です。

算数ができるようになるためには、計算の練習を繰り返したり公式を覚えたりと、地道な努力が不可欠です。好きという気持ちを失わなければ、算数のために努力することができる子に育ちます。

勉強している子供の手
写真=iStock.com/Hakase_
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小学4年生なのに九九がわかっていないと気づいたら

子どもの算数のテストをみていて、算数の基本的な部分がわかっていない可能性に気がつくことがあるでしょう。

そんなことがあったとしても、慌てる必要はありません。基礎的な部分の理解不足が発覚することは、小学生ではよくあることです。

たとえば、小学校4年生になって九九がわかっていないことが判明したら、保護者としてはどう対処していいかわからずに焦る気持ちも理解できます。「こんなこともわかっていないんだったら、算数ができるわけがない!」と子どもに対して感情的になってしまうかもしれません。

冷静になればわかると思いますが、理解できていないことを叱っても意味はありません。

必要なことは、その「わかっていないこと」がどれほど影響の大きいことなのかを確認して、必要であれば、「戻る」ことです。

たとえば九九であれば、2桁や3桁の計算にも使いますし、面積を求める問題でも必要になります。九九という基礎がなければ、ほぼすべての計算でつまずくことになってしまいます。

こうした影響の大きい分野は、学び直しをして、改めて理解できるように丁寧にサポートしましょう。