商品先物以外にもいろいろな投資法がある

過去、商品投資はプロの世界のものでした。しかし今はいろいろな投資法があります。商品関連のETF(上場投資信託)やETN(指標連動証券)、インデックスファンド(指標に連動した投資信託)など、個人でも気軽に投資できる金融商品が多く出てきており、これらに投資することで、大きなリスクを取らなくても、商品で利益を上げることができるようになりました。インデックスファンドはプロも含む大半の投資家をアウトパフォームするという研究結果もあります。

株式についても同じです。大企業や中小企業などさまざまなインデックスファンドが存在します。私は現在、日本の小型株のインデックスファンドを持っています。なぜなら、ブル(強気)相場の最後には、次の急騰する株を探す中で小型株が最も上昇する傾向があるからです。

農業インデックスファンドに関しては米国の取引所に上場しているロジャーズ農業インデックスファンドを買っています。東証にも農業インデックスは5銘柄上場しているようですが、個別銘柄を探すのが面倒な人でも投資ができます。ただし、インデックス投資もわからないという人は銀行に現金を置いておくことを勧めます。

まとまった資金がないとか忙しい人は、インデックスファンドの積み立てもよいでしょう。毎月の収入から一定の金額を投資することを日本ではドルコスト平均法というようですが、これは多くの場合、良い投資方法であることが証明されています。

お金を守るための3カ条
1. 安く買って、高く売る
2. 商品はまだ割安
3. 初心者はインデックス投資

インタビュー=モンラッシェ・キャピタル社 シニア・バイスプレジデント アレックス・南レッドヘッド 構成=花輪陽子 撮影=Luxpho(Takao Hara)

ジム・ロジャーズ(Jim Rogers)
投資家

ロジャーズホールディングス会長。1942年、米国生まれ。イェール大学で歴史学、オックスフォード大学で哲学を修めた後、ウォール街で働く。73年にクォンタム・ファンドを設立し、ヘッジファンドという手法にて莫大な資金を運用して財を成した。ウォーレン・バフェット、ジョージ・ソロスと並び世界三大投資家と称される。『大転換の時代』(プレジデント社)、『世界大異変』(東洋経済新報社)など著書多数。