90歳までの収入を複数のパターンで試算

支出は家計簿をつけていたので夫婦で毎月約22万円、一人になっても半分にはなりませんから月約17万円、年間200万円くらいは確保したいと考えていました。

そこで、夫と私のそれぞれの企業年金の一時金と年金の選択割合、そして夫が亡くなる年齢が遺族である私の生活収入に大きな影響を与えるため、それらを組み合わせて7パターンくらいで老後の収支の予測を試算してみました。

電卓片手に書類と格闘中
写真=iStock.com/shih-wei
※写真はイメージです

ところが具体的に金額に落とし込む作業をしてみて、「自分の場合、この条件にあてはまると考えて大丈夫?」という疑問がいくつも湧いてきた記憶があります。

そしてそのつど、公的年金の問い合わせ窓口である年金事務所や企業年金の問い合わせの窓口である担当部署にお世話になりました。

何度も細かい質問で問い合わせるのは悪いような気がして躊躇することもありましたが、少しでも疑問があると試算結果に対して確信が持てず、心配や不安を消すことはできません。最終的には「こうした問い合わせに答えるのも彼らの仕事」と割り切り、何度も電話して確認するに至りました。

夫の死後の生活費は足りるか

試算した結果から、夫の企業年金について年金で受け取る割合を大きくすれば、夫が言うとおり、定年以降まったく収入を得られなかったとしても、夫の公私の年金収入で当面は家計を賄っていけることが確認できました。

しかし、私が本当に心配していたのは、夫が亡くなって私が一人になった時のことです。前述のとおり、公的年金も企業年金も夫の死亡と同時に消滅または大きく減額になるからです。

夫と年の差のある私は、一人になってからも暮らせるのか、そこが最も心配でした。

試算すると、夫の遺族厚生年金と私の基礎年金だけでは目標とした生活費をクリアすることはできませんでしたが、私の企業年金を一時金では一切受け取らず、すべて年金にまわすと生活費が賄えそうなことがわかりました。医療や介護でプラスアルファがどれくらいかかるかは不明ですが、まずはひと安心です。いくら、「大丈夫、大丈夫」と言われても消えなかった不安が、ここまでやってようやく消えていきました。