60代、70代になっても働き続けたい
もうすぐ60代、北沢さんの描くプランには大きな目標がある。この仕事の認知度を上げるとともに、70代になっても仕事を続けたいと考えているのだ。
もちろん、これは北沢さんが感じている「八方塞がり」の思いとも無縁ではない。
「主人の年金はそれほどないし、私が倒れたら主人も共倒れ、母の介護もできなくなる。ただ、収入のためだけではありません。アシスタンスという仕事は、やはり人が絡む仕事、AIやシステムがあればできる仕事ではありません。社業はコロナ禍の厳しい洗礼を受けていますが、自分で選んだ仕事ですし、会社のルーツを大切に、次の世代に引き渡すためにも長く続けていきたいなって思います」
そこには70代後半で、非常勤勤務に就く大先輩の姿がある。
「皆さん、頭が冴えてはつらつとして。私も頭が働く限り、仕事を続けたいと思いますね」
福島県生まれ。ノンフィクション作家。東京女子大卒。2013年、『誕生日を知らない女の子 虐待――その後の子どもたち』(集英社)で、第11 回開高健ノンフィクション賞を受賞。このほか『8050問題 中高年ひきこもり、7つの家族の再生物語』(集英社)、『県立!再チャレンジ高校』(講談社現代新書)、『シングルマザー、その後』(集英社新書)などがある。