ビジネスシーンで手放せない厳選アプリ

「なぜ岡田さんはそこまでアプリの量を抑えることにこだわるのですか?」「無料なんだったら、アプリはあればあるほど良くないですか?」そんな質問をされることがありますが、私は例えば10個のアプリを入れるよりも、1個のアプリを10通りの使い方ができる方が効果的だと考えています。

伝説的な武道家ブルース・リーがかつて「私は1万種類のキックを1回ずつ練習した人を恐れない。だが、1つのキックを1万回練習した人を恐れる」という言葉を残しましたが、仕事に置き換えると私にでも少し理解できるような気がしました。

理解の浅い技をいくらたくさん身につけていても、理解の深い技一つの効果には到底かなわないのです。逆にアプリは多ければ多いほど、本体性能を落としたり、バッテリー消費を増やしかねません。それぞれの操作方法を覚えるのも時間がとられます。

以下に実際に私が厳選して使っているアプリを一例としてご紹介したいと思います。

Gメール:記録に残す必要がある、社外との取引調整や、社内への依頼事項に利用
gTasks:Google To Doリストと完全同期、タスク処理(入力・移動)効率性に優れる
Google Chrome:主に検索用途で利用、パソコンとスマホ間でブックマークを同期
Googleカレンダー:主にアポ情報を登録、アポに関する付帯情報や添付資料も集約Googleドラブイブ:パソコンと完全同期・同環境で利用、便利過ぎる
Messenger:確認事項など簡易コミュに利用、LINEやSkype、ChatWorkでも良い
ウォレット:電子マネー・タッチ決済の利用のため、iDとSuicaのみ登録
Yahoo!乗換案内:国産アプリだけあって日本人に合ったUI・UX、岡田のヘビロテアプリ
Amazon:さすがのUI・UX、効率を考えて公私とも買い物はできるだけAmazonに集約
Twitter:情報発信以上に、交通・天災・事件など緊急情報の事情収集の目的で利用
【図表】筆者一推し「gTasks」活用イメージ
図表=筆者作成

スマホで生み出した時間でリアル人生を豊かに

本稿では「スマホアプリ、最小限のススメ」をテーマにご紹介してきましたが、根底には「もっと自分時間へ回帰してほしい」との想いがあります。

というのも、これまで電車の中でスマホを見ている人は普通にいましたが、最近では歩行途中や自転車を走らせながらスマホを見ている人が増えてきており、「ちょっと病的だな」と思った機会が何度もあったからです。

こういった光景は、ビジネスマンが口にする「時間が無い、忙しい、給料が上がらない」といった嘆きとも決して無関係ではないのではないかと思ったりもします。

スマホという便利な道具で生み出した時間は、ぜひリアル人生が豊かになれることに使ってもらえればと願っています。

岡田 充弘(おかだ・みつひろ)
クロネコキューブ代表取締役

外資系コンサルティング会社を経て謎解き企画会社『クロネコキューブ』を設立。700にもおよぶパソコン時短ワザを集めてマニュアル化している。著書に『爆速パソコン仕事術』(ソシム)『結果もスピードも手に入る 神速スマホ仕事術』(すばる舎)『やりたいことを全部やれる人の仕事術』(PHP研究所)『やめるだけで成果が上がる仕事のムダとり図鑑』(かんき出版)『ビジネスマナーと仕事の基本 ゆる図鑑』(監修)(宝島社)ほか。