投資ありき、で考えない

もちろん、どの基準で余裕資金を捉えるかは人それぞれで、私の基準を押し付けるつもりはありません。

一人ひとりが、ぜひ、自分なりの「余裕資金」を見つけてください。

もっとも、余裕資金で投資をしたからといって、資産が増えるか減るかは分かりません。であれば、投資そのものを楽しもうというのが私のスタンスです。そして、このスタンスについては、ぜひオススメしたいと思っています。

ただ、投資を「楽しめる」か「負担に思う」かは、実際に投資をやってみないと分かりません。投資は楽しいものだと思っていたけど、実際にやってみると、資産が減ることに耐えられず、日々の値動きも気になって仕方なく、しんどい……と思う人も少なくありません。

その際、(投資に回している)余裕資金を「緩い」もしくは「普通」基準で捉えていることが、その「しんどい」理由となっている可能性もあります。であれば、余裕資金を「厳しい」基準で捉えて、その余裕資金で投資をしてみてください。

それによって吹っ切れて、投資を楽しめるようになるかもしれません(かつての私のように)。

しかし、厳しい基準での余裕資金でも、やっぱりしんどい……なら、残念ながら、性格的に投資に向いていないかもしれないので、その場合は、ムリに投資をする必要はないでしょう。投資に向いていない人がムリに投資をすれば、体調や日々の生活に支障を来す可能性もあります。

投資はあくまでもライフプラン実現の選択肢の一つであって、他にも「収入を増やす」「支出を減らす」「目標設定を変える」などの選択肢はあります。国や金融機関の「投資は必要」に惑わされないでください、それは、「われわれに投資をしてほしい」側のキャッチコピーなのですから。

藤原 久敏(ふじわら・ひさとし)
ファイナンシャルプランナー

1977年大阪府大阪狭山市生まれ。大阪市立大学文学部哲学科卒業後、尼崎信用金庫を経て、2001年に藤原ファイナンシャルプランナー事務所開設。現在は、主に資産運用に関する講演・執筆等を精力的にこなす。また、大阪経済法科大学経済学部非常勤講師としてファイナンシャルプランニング講座を担当する。著書に『株、投資信託、FX、仮想通貨… ファイナンシャルプランナーが20年投資を続けてみたらこうなった』(彩図社)など。