「投資は余裕資金で」と言われますが、その基準はあいまいだ。ファイナンシャルプランナーの藤原久敏さんは「私は余裕資金に3つの基準を設け、最も厳しい基準を採用することで投資を楽しめるようになりました」という――。
スマートフォンで為替チャートを見ている人
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投資は「ワクワクするかどうか」が大事

私は今、投資を楽しんでいます。

もちろん、収益を上げることも大切ですが、それ以上に、「ワクワク」するか否かを、投資判断の一番の基準にしています。ですので、時には大失敗もしますし、見方によっては、あえて失敗しにいっているのか、と思われるような投資もしています。

それってFPとしてどうなの? との賛否両論はあるでしょうが、少なくともそのおかげで、こちらでの原稿ネタは尽きることがないわけです。

ただ、そんな自由気ままな投資ができるのは、私に、人並外れた資産があるからではありません。それは、「投資は、余裕資金でやること」を徹底しているから。そして、その余裕資金の基準を、相当厳しく設定しているからです。

そこで今回は、いつもの「投資失敗体験記」からちょっと視点を変えて、「投資は、余裕資金で」について考えてみたいと思います。

そもそも、“余裕資金”とは?

「投資は、余裕資金で」については、われわれFPもあちらこちらで繰り返しお伝えしている投資の基本中の基本であり、それについては誰も異論はないでしょう。

では、その「余裕資金」とは、いったい、どんな資金なのでしょうか?

それをハッキリさせないことには、いったい、どれくらいのお金を投資に回していいのか分かりませんよね。

実際、「投資をやりたいんですけど、どれくらいのお金を、投資に回していいんでしょうか?」といった質問をよく受けるのですが、これはまさに、余裕資金の基準がハッキリしていないからです。

余裕資金の基準がハッキリすれば、投資に回せる金額も、その基準を基に、ある程度見積もることができるはずです。すなわち、余裕資金の基準をハッキリさせることが、投資の第一歩とも言えるでしょう。

そんな余裕資金の基準ですが、大きく分けて、「緩い」「普通」「厳しい」の3つの基準が考えられます。