【対処法C】事前準備が肝心「リアクションワード」

相手からの攻撃的な言葉や嫉妬の矢は、突然飛んでくることが多いものです。あまりにも突然のことに驚きすぎて、とっさに言葉が出てこないなんてことはありませんか?

また、耳をふさぎたくなるようなひどい言葉や態度に衝撃を受けて、頭が真っ白になってしまうこともあるかもしれません。

そんなとき、しばらく時間が経過してから自分の気持ちに気づき、後からだんだんと腹が立ってくるという場合も多いのではないでしょうか?

女子ボスは、自分の欠点を見つめることも、受け入れることもできませんので、有害だと思う人物には、絶対的な屈服を求めています。

彼女の頭の中では、「あなたが自ら泣いて許しを請う」イメージや、「あなたがいないと困ります」といった絶対服従するイメージを最終ゴールにしています。

それは前述のとおり、自分が威圧されている人の投影なのですが、無意識の働きですので、本人は気づいていません。

職場の上司や先輩に向かって反抗的な態度や言葉は得策ではありませんが、ママ友同士や趣味のコミュニティやグループなど、本来対等な関係を築く環境下では、自分を守るための「リアクション」を考え、準備しておくことは、自分の身を守るための防衛策の1つです。

人格を否定するような言葉が飛んできたときのために、重みのある「リアクションワード」を準備しておきましょう。あなた自身も、「自己主張ができた」と思える「スッキリ」できる言葉です。

具体的には、

「は?」
「こわ!」

という短いワンワードや、

「今の言葉は少々失礼ですね」

といった責め立てるわけでもない、怒りをぶつけるわけでもない、でもスカッとするあなた専用のリアクションワードを、自分のために準備してみてください。

ポイントは、必ず主語を「私」にすることです。主語を私にして相手に伝える方法を、「I message」と言います。

「私は、今の言葉に傷つきました」
「私は、あなたのその態度は失礼だと思います」
「謝ってください」

どんな状況であろうと、誰であろうと、自分の心を傷つけさせてはいけません。

ハラスメントは、心の暴力です。自分を守るためのウソや演技、リアクションワードを武器として持ち、相手から二度と失礼な言葉を言わせないためのお守りとして、心の中に準備しておくことをおすすめします。

★ポイント ウソや演技など、リアクションワードは、心のお守り。

川村 佳子(かわむら・けいこ)
産業カウンセラー

北海道生まれ。一般社団法人日本産業カウンセラー協会認定「産業カウンセラー」。日本人間性心理学会会員。上智大学グリーフケア研究所在籍。防衛省、国土交通省、財務省をはじめ、国立機関や一般企業にて産業カウンセラーとして臨床経験を積み、現在航空自衛隊外部カウンセラー。死別の苦しみや痛みをケアする「グリーフケア」の普及啓発にも積極的に取り組む。心理臨床オフィス「サクラメント函館東京カウンセリングオフィス」代表。著書に『嫉妬のお作法』(フォレスト出版)がある。