自己決定力を高める

次に私が意識していることは、「本人に決めさせる」ことです。

毎日着ていく服、外食時に選ぶメニュー、文房具など、できる限り本人に決めさせ、親が先回りして介入したり選ばないようにしています。

なぜかというと、その判断の結果を検証し根拠を振り返る習慣が身に付くという期待を込めているからです。

たとえば親から「これにしておきなさい」と言われて判断する機会を奪われれば、自分で考える必要もなく、「は~い」と従うしかない。あるいは与えられるのが当然となる。

しかし自分で決めていいとなれば、自分が最も満足する方を選びます。そしてその結果がかんばしくなかったら、後悔するでしょう。

「何でこっちにしてしまったんだろう?」「何がいけなかったんだろう?」「次回はどうすればいいだろう?」と自分の判断の過ちを反省し、次に生かそうとします。

あるいは「自分で決めたことだから最後までやり抜こう」「自分で決めたことだからもう少しがんばろう」「自分で決めたことだから弱音を吐いてはいられない」などと、責任を果たそうとするかもしれない。

その結果が望ましくなくても、「自分で決めたことだから」と受け入れます。

自己決定は「納得感」となり、自己責任意識につながります。

決断と検証の思考習慣を持つことがお金持ちへの道

しかし誰かに決めてもらったものは、自分で決めたわけではないので振り返る必要がありません。判断の根拠もわからないから、反省のしようもありません。だから教訓も引き出せない。だから次に生かせられない。応用が利かない。

仮にその結果が不満だったとしたら、それは自分のせいではなく、それを決めた他人のせいにするでしょう。親が悪い、先生が悪い、上司が悪い、会社が悪い、政府が悪い、社会が悪い、というわけです。

お金持ちになぜ起業家や経営者が多いか、それは毎日が決断の連続だから、というのも要因の一つです。

自分で決めるからこそ、どうすれば最も満足度が高くなるか、有利になるか、不利を避けられるかを考えます。自分の判断を振り返り、次の判断の精度を上げようとします。

「経営者のカン」と言われるのは、積み重ねてきた仮説検証の蓄積が、瞬時の判断でも適切な意思決定になるということです。

そういう思考習慣を持ってほしくて、彼の判断を尊重するようにしています(まあ、期待通りになるかはわかりませんが)。

午堂 登紀雄(ごどう・ときお)
米国公認会計士

1971年岡山県生まれ。中央大学経済学部卒業後、会計事務所、コンビニエンスストアチェーンを経て、世界的な戦略系経営コンサルティングファームであるアーサー・D・リトルで経営コンサルタントとして活躍。IT・情報通信・流通業などの経営戦略立案および企業変革プロジェクトに従事。本業のかたわら不動産投資を開始、独立後に株式会社プレミアム・インベストメント&パートナーズ、株式会社エデュビジョンを設立し、不動産投資コンサルティング事業、ビジネスマッチング事業、教育事業などを手掛ける。現在は起業家、個人投資家、ビジネス書作家、講演家として活動している。著書に『33歳で資産3億円をつくった私の方法』(三笠書房)、『決定版 年収1億を稼ぐ人、年収300万で終わる人』(Gakken)、『「いい人」をやめれば人生はうまくいく』(日本実業出版社)、『お金の才能』『お金の壁の乗り越え方 50歳から人生を大逆転させる』(かんき出版)など。