2021年にプレジデントオンラインで配信した人気記事から、いま読み直したい「編集部セレクション」をお届けします――。(初公開日:2021年3月2日)
採用しては辞めていく“漆黒のブラック企業”だった武蔵野が、新卒の3年離職率が5%に改善するまでには、採用と人材教育の工夫があった。中でも、「自社に合う社員」「辞めない社員」を面接で見抜く方法とは――。

※本稿は、小山昇『社長、採用と即戦力の育成はこうしなさい!』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

採用試験では仕事ができるかどうかは見抜けない

こんなことを言っては身も蓋もありませんが、採用試験では「仕事ができる人か、できない人か」を見極めることは不可能です。私が書類選考を重視しないのは、仕事の適性も素養も、実際にやらせてみないとわからないからです。

私が選考の段階でもっとも重視しているのは、「整合性がとれているか」つまり、「嘘をついていないか」です。

小山昇『社長、採用と即戦力の育成はこうしなさい!』(プレジデント社)
小山昇『社長、採用と即戦力の育成はこうしなさい!』(プレジデント社)

学生は、「自己分析」「業界研究」「企業研究」「エントリーシート」「筆記試験」「面接」について、対策を講じた上で就活に臨んでいます。事前に準備をしているため、本音と建前を使い分けることができる。ときには、自分をよく見せようと嘘をつくこともあります。

そこで私は、就活生の「定量情報」と「定性情報」の2つを使って、「建前上ついた嘘」を見極めています。面接だけでも、心理分析ツールの結果だけでも、就活生の本音を見抜くのは難しい。定量情報と定性情報を組み合わせて、就活生と自社の相性を判断しています。

●定量情報……分析ツールの結果
●定性情報……面接の受け答え

【分析ツール】
・エマジェネティックス®……人間の思考特性と行動特性を分析するツール
・エナジャイザー……人と組織の活性化を測る適性検査
・HCi-AS……メンタルチェックと仕事への適性を測る検査