時間は3つに色分けすればいい

そして、スケジュール管理の際に私が最も意識しているのは「スケジュール帳にきちっと余白をつくる」こと。余白というのは、スケジュール化されたタスク以外の部分ですから、会社員にとっては「自由時間」。それを「投資の時間」などに充てています。

私はこの自由時間(投資の時間)を得るために、スケジュール帳に記したタスクを重要度に応じて「色分け」しています。そうすることによって、自分がいまどれくらい余白を持てているかがひと目でわかります。

また、色分けをすると、タスクの優先順位をより明確に意識できて、期限までに自分がやり切れるかどうかの見通しもつけやすくなります。

単色のスケジュール帳だと、どうしても並列的な見え方になって、タスクリストと変わらない印象になります。すると、本当はいまやらなくてもいい作業を先にやってしまう、といった時間の無駄づかいが起きがちなのです。

さて、私の色分けの仕方を簡単に紹介しておきましょう。

①各タスクを「最大化、現状維持、最小化、廃止」という視点から4つに分類する
②それぞれの色を決める(私の場合は最大化=濃いオレンジ、現状維持=薄いオレンジ、最小化と廃止=灰色)
③スケジュール帳にタスクを書き込み、3色に塗り分ける。GoogleカレンダーやOutlookなら同色の濃淡でも見やすいが、手帳の場合は、3色ボールペンや蛍光ペンを使ってわかりやすく色分けする

電車の移動時間に読書をするのは生産性を下げる

「最大化、現状維持、最小化、廃止」という時間の捉え方は、会社の仕事のスケジュール管理だけでなく、投資活動も含む自分の行動全体の見直しにも役立ちます。

まず、最大化すべきは「資産が増える行動」で、評価につながる勤労のほか、資産の売買や運用成績の改善につながる行動などが該当します。それらを行う時間を私は「攻めの時間」と呼び、大切にしています。

一方で、「攻め」を充実させるには、「守り」も固めなくてはなりません。私は、現状維持したり最小化させたい時間のことを「守りの時間」と呼んでいます。

現状維持すべきは、人脈づくりや情報収集。ただし、新たな攻めの前、つまり、新たな資産形成を始める前には、これらが増える傾向があります。そして、最小化すべきはスケジュール管理や気分転換、移動などの時間です。

どちらでもない「攻めても守ってもない時間」は、廃止すべき時間です。ダラダラした時間や惰性で続けていることがあれば、どんどんやめていきます。

これらのうち、最小化と廃止の「灰色」の時間を減らせれば、その分だけやるべきことの「時短」が進むわけです。たとえば、最小化の中で私が特に意識しているのが移動の時間です。なぜならほぼ生産性ゼロだから。本を読んだり音楽を聞いたりして活用したいとも思いません。むしろ、移動との掛け合わせで行うと、生産性を下げると思っています。