母子家庭で育った苦学生の息子を待っていた悲劇

「息子に奨学金を背負わせたくないんです!」

八雲好江さん(48歳。保険外交員。年収400万円)は苦しい胸のうちを明かします。酒に女、賭博に借金。悪行三昧の元夫と離婚したのは10年前。夫婦の間には12歳(離婚時)の息子さんがいました。元夫は「離婚したら俺の子じゃない!」と言い張るので、息子さんの親権は好江さんが持つことに。

そして元夫は養育費として毎月9万円を22歳まで支払うことを約束しました。それから一度も滞りなく振り込まれたのですが……女手一つで育てるのはやはり大変。日々の生活に余裕はなく貯金はゼロの状態で息子さんは大学に合格。

テーブルに座り電卓を使い、仕事するシニア男性
写真=iStock.com/SrdjanPav
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コロナで銀行の融資担当の態度が一変。教育ローンが否決に

22歳(相談時)の息子さんは大学4年生。大学受験時には80万円(予備校の月謝、模試、受験料等)、入学から現在まで250万円(大学の入学金、授業料等)を銀行から借入せざるを得ない状況でした。コロナ前、融資担当者は次の50万円(4年後期の授業料)も大丈夫と太鼓判を押していました。しかし、コロナ後に態度が一変。「うちもコロナで苦しい」と融資の審査を落とされたのです。好江さんは他に方法もなく、途方にくれました。そんななか、私の事務所を訪れたのは2021年6月でした。