「教育資金」はFIRE資産の準備とは別に必要となる

教育に関しては、国や自治体からさまざまな支援がありますが、サイドFIREを目指すなかでは、少なくとも大学の奨学金の給付はかなりむずかしいことを知っておくべきでしょう。大学在学中に支給される奨学金は、親の年収や資産額を明記して申請することになります。

サイドFIREを目指す時期によりますが、子どもが大学に入学しようとするころには、それ相応の資産が形成されているはずです。その資産があると奨学金の審査には通らない可能性があります。

利息が伴う奨学金であれば、親の年収、資産の条件は緩和されますが、それでも子どもから見れば「資産があるのに、なぜ?」という気持ちになり、親子関係に影響を与えかねません。

FIREを目指す以上、子どもの学費は親が用意することになります。教育費の支出は小学校から高校までの12年間続きますし、大学費用の貯蓄も必要です。それに加えて、生活費、FIREのための投資資金を、それぞれどの程度捻出できるのか考える必要があります。

児童手当は使わずに貯めておく

子どもがいる世帯は、毎月児童手当が自治体から支給されます。現行制度では3歳未満が月額1万5000円、中学校卒業まで月額1万円支給されます(第3子からは小学校修了まで月額1万5000円)。共働きで子ども1人の家族では、所得制限が660万円(収入額の目安は875万円)となり、その場合は月額5000円です。

所得制限にかからない場合、子どもが1人の場合、毎月貯蓄に回すと約200万円になるので、この金額には手を付けずに大学入学資金などにとっておくようにしましょう。大学4年間で300~500万円ほどの教育費がかかりますが、この金額をあてられるとおおよそ半分は確保できることになります。

また、(子どもから見て)祖父母の支援もあるでしょう。親族間でも110万円を超える金銭受け渡しは贈与税が発生します。しかし、教育・結婚・出産などの目的であれば、贈与税はかからず、そのまま受け取ることができます。

児童手当の支給額や贈与税の特例
※『マンガと図解 はじめてのFIRE』(宝島社)より