できる人ほどメールが淡泊

情報過多な今の時代は、ビジネスメールはできるだけ短く簡潔であることが望まれます。

私は「お世話になっております」や「よろしくお願いします」のような、メールの前後に付与される「導入文」や「締め文」のようなものは一定の条件下で不要だと思っています。

実際外資系コンサルの世界では、仕事ができる人ほどメールが淡白です。

これについては、日本の慣習を踏まえると多少の議論があるかもしれませんが、そろそろわれわれの世代から変えていかねばとも思っています。

メールの後にチャットのような簡易コミュニケーションツールが生まれ、普及してきていることを考えると、潜在的な簡素化のニーズはあるといえるでしょう。

ただ、そこで実際にすべてチャットに切り替えられるかといえば、コミュニケーション先の事情によって、そうもいかないのが現実でしょう。であれば、私は、メールを限りなくチャットのように使うというのも一つの手だと考えるようになりました。コミュニケーションが複数のツールにまたがってしまうと、情報が分断され、検索の網羅性が失われてしまうという理由からです。

メールの受信トレイにアラート表示
写真=iStock.com/juststock
※写真はイメージです

メール簡素化のポイント3つ

メールを簡素化してチャットのように使う方法は、私が日系企業から外資系企業に移った時に初めて目にしました。極端に言えば、日系企業では送り先名称に続いて「お世話になっております」から始まりますが、外資系企業はいきなり本題から入ります。長く前者のお作法でしつけられてきた自分としては、少々面食らったのを覚えています。

メール簡素化のポイントは以下の3つです。

①導入文・締め文を省略する(2回目以降のやりとりからでもOK)
②構造化する(できるだけ箇条書きや行頭文字を用いる)
③要件を明確にする(共有なのか、依頼なのか)

まず、①について見ていきましょう。

どんなに「できる人ほど淡泊」と言っても、慣れ親しんできた導入文や締め文を省略するとなると、冷たくてぶっきらぼうな印象を与えるのではないかと心配する人がいるかもしれません。

私は自分のメールの署名の上に

「※メール簡素化推進中、導入文・締め文は省略頂いて結構です。」

という定型文を入れるようにしています。

相手への配慮ではありますが、この一文だけで、自分のスタイルを柔らかく伝えることもできます。