相手の姿が見えないメールや手紙でのやりとりは言葉の選び方によって、印象が大きく変わるもの。受け取った相手の心に残る、美しい日本語を紹介する。
筆ペンで日本語で書く
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へりくだる言葉

▶︎不躾ぶしつけ

「身を美しく」と書く「躾」がないこと。一般的に他人に対しては使わず、若輩者が目上に対して用いる。相手に心の準備をしてもらう言葉で、「不躾とは存じますが~」など本題に入る前に断りを入れることで場が和らぐ。

▶︎お引き回しのほど

異動先であいさつに回るとき、新しい取引先などに対して用いる。「春から営業部になりましたので、よろしくお引き回しのほどお願い申し上げます」などと使う。類義語に「おつき合いのほど」がある。

▶︎ご笑納ください

気兼ねなく贈り物を受け取ってもらいたいとき、「大したものではありませんが、笑って納めてください」との思いを込めて使う。お中元やお歳暮のほか、ノベルティーグッズや記念品を配るときなどにも用いられる。

▶︎心ばかり

「お返ししなければ」と相手に気を使わせないよう謙遜する言葉。「心だけで、お金は使っていません。気にしないでください」と解釈できる。「心ばかりの品で恐縮ですが、どうぞみなさまで召し上がってください」などと使う。

▶︎身に余る

自分の身分や業績以上に、よい処遇を受けたときに用いる。目上の人からほめられたとき、「私などには身に余るお言葉です」などと言い添えたい。謙遜しつつ断る場合も、「私には身に余る賞ですので~」などと使うことができる。

▶︎おめもじ

「会う」の謙譲語となる京言葉で、目上の人に会うこと。女性が手紙などで用いる。「1度おめもじいただきたく思っております」「みなさまとのおめもじを楽しみにしております」などと使う。