敬う言葉
▶︎心尽くし
こまごまと人のために気を使うこと。手作りの料理や、「つまらないものですが」という言葉とともに贈られたものに対して、「お心尽くしありがとうございます」と返そう。類義語に「心遣い」「お気遣い」がある。
▶︎私淑
教えを直接受けなくても、ひそかに師として尊敬し、模範として学ぶこと。直接教えを受ける「師事」や、親しく接して感化を受ける「親炙」とは異なる。「○○先生のファンです」は、「○○先生に私淑しています」と言える。
▶︎心待ちにしております
招待の手紙やメールの末尾に、「お返事を心待ちにしております」などと用いる。ただ、「期待して待っています」という意味があるので、目上の人には「待ち」という言葉は使わず、「お会いできる日を楽しみにしております」などと添えて。
▶︎清遊
世俗を忘れ、風流な遊びをすること。名所などを案内してもらった際、お礼状に「近ごろにない清遊をさせていただきました」と添えてみよう。また、「当地をご清遊の折は、ぜひこちらにもお立ち寄りください」と相手を誘うこともできる。
依頼する言葉
▶︎折り入って
「折り入る」は、もともと言葉を挟むときに使われ、「あらためて」という意味合いをもつ。「あつかましいお願いで申し訳ないのですが」という気遣いが込められている。「折り入ってお話があります」「折り入ってお願いがあります」などと使う。
▶︎役不足
「あなたの実力からすると、大したことのない役ですみませんが」と気を使いつつ添える言葉。「役不足ですみませんが、部長代理をお願いできますでしょうか」などと使う。自分で自分を「役不足」と謙遜することではないと覚えておこう。
断る言葉
▶︎ご放念ください
「放念=気にしない、心配しない」。贈り物をする際、「お礼は気になさらないでください」と伝えるなど、相手が気を使いそうなことをした際に添えるとよい。「先日言ったことは私の失言でした。どうぞご放念ください」などにも使える。
▶︎荷が勝つ
自分にとって責任や任務が重すぎて、断りたいときに用いるクッション言葉。敵をつくることなく、物事を上手に断るために覚えておきたい。「このような大役は私には荷が勝ちますので、ほかの方にお願いしたいです」などと使う。
▶︎生憎
「生憎」は当て字で、もとは「あや、憎々しい」という言葉。のちに「タイミングが悪くて、いらだたしい=あやにく」と表現するようになり、現在は「残念ながら、お断りする」という意味で使う。「生憎その日はふさがっております」などと用いる。