定着させるコツはシステム化と目標設定
しかし、そういうルールをつくろうとすると、とかく根性論になってしまいがち。根性論になると、習慣として定着しにくくなりますので、気をつけましょう。おすすめなのは、しくみにしてしまうことです。
具体的には「火曜日はお茶の日」としたら、火曜日はわざわざ友だちを招いて、お茶を飲む時間にします。自分のためだけならティーバッグですませてしまうところを、周りを巻き込むことで、ていねいにお茶を入れるようになります。ポイントは挫折しないような工夫をしておくことです。
「金曜日は筋トレ」にしても、電車通勤なら電車に乗っている間は片足立ちをしてみるなど、いつもの習慣に新しい習慣を組み込むのがいいでしょう。
また定着させるには、目標を持つことも大切。たとえば筋トレをするときも、トレーナーから「できる限りやってね」と言われると、あと何回やるんだろう、いつ終わるんだろうとしんどくなる。でも「1分間やってね」と言われたら、この動作が1回2秒だから30回かと自分の中で進捗がわかり、モチベーションがキープできます。
ですからルールを決めたら、小さくてもいいから目標を立てて、ここまでできた、ここまで進んだと自分なりに進捗を意識しながら取り組むとよいでしょう。
自己管理のためにSNSをうまく使う
さらに今の時代におすすめなのは、上手にSNSを活用することです。お茶をていねいに入れるプロセスを撮った動画や、読んだ本を読書メモとしてまとめた文章をSNSにアップする。「いいね!」を求める承認欲求ではなく、自己管理のためにうまく使うのです。
SNSにアップしようと思うと、たとえ「いいね!」を求めていなくても、もうちょっと頭を使ってまとめよう、どうやったらわかりやすくなるかな、と責任感やプレッシャーが生まれるからです。
たとえばフラワー・アーティストである私の友人は、1000日間、1日一種類、一輪挿しの花を活けてSNSにアップするというプロジェクトに取り組んでいます。もともと友人は、イベントや展示会などでたくさんの花をデコレーションする仕事が中心で、一輪挿しというのは本来の路線とはやや違います。でも一輪挿しは、自分の研鑽のためにやっていると言います。
人に見せるわけでもなく、一人でコツコツとアップしていて、今はもう800日以上つづいています。自己研鑽を習慣化するためにテクノロジーを使う、このアイデアは、すごくいいなと思って見ています。