環境、食べ物、ニオイ……片頭痛の原因は人それぞれ

ではなぜ片頭痛は起きるのか。

天候や光といった自然環境のほか、男性の約4倍もの患者が存在する理由からも女性ホルモンの影響が少なからず関係していると考えられる。そうした環境や体内の変化に対応するのが、脳内セロトニンだ。ところが脳内セロトニンが疲弊して枯渇すると、そのコントロール下から解放された三叉神経が興奮。血管を拡張する痛みの伝達物質CGRPが脳の血管へと放出され、片頭痛を引き起こす。

多くの患者の経験からも、特に以下のような状況で、片頭痛は起こりやすい。

・月経や排卵
・空腹(低血糖)
・生活リズムの乱れ
・疲労
・食品や飲料、アルコール
・天候
・音、光、ニオイ

睡眠時間は6.6〜8.5時間が最適とされ、長くても短くても片頭痛のトリガーになる。緊張やストレスにさらされた交感神経優位の状態から、リラックスして副交感神経優位になったときに起こる「週末片頭痛」もよく見られる症状だという。また片頭痛患者の約90%がニオイで誘発された経験があり、香水や洗剤、柔軟剤など、一般的に良い香りとされているものでも片頭痛を誘発することがわかっている。

香水を手首につける人
写真=iStock.com/DmitriyTitov
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何が片頭痛のトリガーとなるのかは、人それぞれだ。例えば、ある片頭痛患者は、頭痛が発症した日や痛みの程度などを書き込む頭痛ダイアリーをつけたところ、暑さ、台風、強い光を見たときに片頭痛が起こることがわかったという。