将来もずっと働き続けるために自分の価値を高める
2012年から副業を解禁したサイボウズ。現在40代の丸茂久美子さんは社外のデータ分析勉強会の人脈が縁で、データ活用のコンサルティングや分析を行う会社で19年から複業をスタートした。
「昼休みなどの空き時間や有給休暇を使って複業をしています。本業も複業もデータ分析に関する仕事ですが、求められる役割は違います。複業で他企業の課題や視点を深く知ることで、経験値を相互に還元できるのがメリットです。複業は自分にとって、キャリアの幅を広げる大きな学びになっています」
サイボウズの収入は社員のグレードによって上限があるが、複業であれば、自分のやり方次第でいくらでも収入増につなげられる。
「お金になる複業はほかにもありますが、目先の現金よりも、長期的なキャリアのための複業ですね。50代、60代になっても稼げる自分でいるために、経験値を増やして可能性を広げ、データ分析で人を幸せにしたいですね。データからわかる事実は人の判断を助け、人がやりたいことを支援してくれます」
複業で得た収入は次のキャリアへの投資や長期運用に回すことで、将来の糧にしているという。
【本業】サイボウズ 経営企画室アシスタントマネージャー
【複業】DATUM STUDIO 技術顧問
2005年、サイボウズ入社。営業部、マーケティング部を経て、現職。データアナリストとして、顧客分析や新サービスの技術開発に従事。19年より複業でDATUM STUDIOの技術顧問に。
自分の興味ある分野で定年後も稼ぐ道を模索
コロナ禍以前の新井智子さんは、ほぼ毎日残業という仕事中心の生活。コロナ禍で仕事は完全リモートワークとなり、あらためてこれからの人生を考えるようになったという。
「以前から、新しいことをやってみたい、地方創生に協力したいという思いがありました。リモートワークで今までの働き方を見直し、住まいも都心から東京郊外へ転居。売り上げ至上主義ではなく、人々の生活を守り、農業や日本の文化を守ることに貢献できないか、と。転職も考えましたが、収入が大幅ダウンするのがネックでした。それなら、本業の収入をキープしたまま、複業で何かやってみようと考えたんです」
そこでオンラインで地方企業の副業・兼業に特化した人材シェアリングサービスのJOINSに登録しマッチング。2社で複業をしている。
「まだ複業を始めたばかりですが、月に10〜15時間ほどを費やしています。複業の実績を増やすことで、定年後もやりがいと収入を確保できるようになれるのが理想。将来は、東京に拠点を置きながらも、地方と行き来できるような生活ができたらいいかなと思っています」
【本業】外資系メーカー 商品企画部門管理職
【複業】飲食店(島根) メニュー企画・市場調査 農園経営(静岡) 市場調査
1972年生まれ。食品会社を経て、外資系メーカー入社。現在、管理職として営業統括とマーケティングを担当。完全リモート化をきっかけに、2021年3月より複業で地方中小企業のマーケティングを担当。