2タイプのコツコツ派を待ち受ける落とし穴

実は、節約家タイプは新旧2つのタイプに分かれます。現在、60代以上で節約によって資産を築いた人は「自分が我慢すれば家族が幸せになれる」と考えて貯蓄に励んできた人たちです。我慢することで食費などの変動費を切り詰めて、貯蓄を増やしてきました。

一方、50代以下で節約をしている人は、固定費を優先して見直して頑張らなくても貯蓄できる仕組みをつくっています。我慢しなくても自然とお金が貯まっていく、新タイプの節約家です。

旧タイプの節約家は根性論でお金を貯めてマイホームを購入したり、教育費を捻出したりしてきたので、子どもが巣立つと頑張る対象を失ってしまいます。そして子離れができず、過剰に干渉してしまうのです。

旧タイプは子どもや孫への贈与も積極的に行おうとする傾向にあります。受け取る側はありがたいことのように思いがちですが、その行為が子どもたちの家計を壊してしまうこともあります。それまで身の丈に合った生活をしていた子どもたちが多額の資金を受け取って、浪費をするようになってしまうことがあるからです。

一方で新タイプの節約家には、「子どもに資産を残すつもりはない」と公言する人が多くいます。子どもに多額の資産を残すことがいいこととは思っていないようです。ところが、亡くなる時にはそれなりの資産が残ってしまいます。

子どもにお金を残すつもりがなければ、遺産分割対策も考えないでしょう。結果、もめてしまいます。お金持ちは資産の種類も多いため、もめごとだけでなく、手続きも大変なことになってしまいます。自分の遺産が原因で家族が分裂することを望まないなら、資産を残すつもりがなくても遺言書などではっきりと意思を遺し、子どもたちにその理由をしっかり話し合っておくべきです。

藤川 太(ふじかわ・ふとし)
ファイナンシャルプランナー

生活デザイン代表取締役社長。2001年に家計の見直し相談センターを設立以来、3万世帯を超える家計診断を行ってきた。『やっぱりサラリーマンは2度破産する』など著書多数。