男性に人気のあの食品も、女性ホルモンの分泌をサポート?
タンパク質をしっかりと摂りつつ、女性ホルモンと似た働きをもつ保健機能食品を活用するのも、ひとつの手だ。
保健機能食品とは、一般食品と医薬品の中間に位置する一定の機能をもった食品群で、「特定保健用食品(トクホ)」と「栄養機能食品」「機能性表示食品」を合わせて保健機能食品と呼ばれている。
「近年、保健機能食品などで女性ホルモン様の作用を示すものや、ホルモン調整を行うものが数多く出てきました。病院へ行くほどの体調不良でなければ、エビデンスが確かなものを選んで積極的に摂り入れるのもいいでしょう。まずは続けることが大切。自身で試して続けやすいものを選ぶことが大切です」(松村さん)
例えば、大豆イソフラボンやエクオールなどは、女性ホルモン様の働きをすることがわかっており、現在、さまざまな保健機能食品やサプリメントが発売されているが、「最近の研究では、男性の活力剤というイメージが強い『マカ』にも、女性ホルモンのバランスを整える作用があることがわかってきました」と、薬学博士の小川博さん。
「マカは南米ペルーのアンデス高原で育つ根菜で、日中は強烈な日差しが注ぎ、夜は氷点下となる厳しい環境で成長します。男性はもちろん女性にもよいとされ、アンデスでは古くから食されてきたものです。根の部分が薬用として使われ、アンデスの原住民は民間伝承薬として、精力増強、滋養強壮をはじめ、女性では月経サイクルの正常化や閉経前後の不調改善などに有効作用があることが知られていました」(小川さん)
小川博氏による動物実験(ラット)では、マカは女性ホルモンのバランスを整える作用があることがわかっているという。
「マカは女性ホルモン様として働くのではなく、減少した女性ホルモン分泌を助ける働きをしていると考えています。この研究を契機に更年期症状のある女性を対象にマカエキスパウダー(MACAXS®)の摂取実験が行われ、閉経後女性のエストラジオール値が増加する傾向が見られました。詳しいメカニズムはまだ解明されていませんが、マカは性腺刺激ホルモン分泌や成長ホルモン分泌にも関わり、ホルモンバランスの乱れによるゆらぎの解消はもちろん、皮膚のシワ・たるみの予防に役立っているのではないかと推測しています」(小川さん)