支店改革の推進者、宮田直樹長野東支店長。営業統括部次長を経て、2016年に茅野支店長に就任。茅野支店の「営業店業績」を引き上げ、2019年度に「総合最優秀店」となる。2020年から現職。
撮影=大井川茂兵衛
支店改革の推進者、宮田直樹長野東支店長。営業統括部次長を経て、2016年に茅野支店長に就任。茅野支店の「営業店業績」を引き上げ、2019年度に「総合最優秀店」となる。2020年から現職。

ぶれずに改革を推進できた理由

支店長として経験もなかった私が、ぶれずに改革を進めることができたのはなぜか。ある人の経営哲学をお手本にしていたからです。トヨタ系ディーラー、ネッツトヨタ南国オーナーで現相談役の横田英毅さんが創業以来実践してきた「社員の幸せを第一に考える」経営です。社員一人ひとりが能力を発揮し、それが組織全体のパワーにつながっているのです。私たちが視察に行った当時は、12年連続で顧客満足度1位。値引きに頼らず販売実績を着実に上げていました。「これこそが探し求めていた経営モデルだ」と思い至り、横田さんの経営哲学を徹底的に研究し、長野ろうきんの営業改革に取り入れたのです。

金融機関の一支店長という立場でも、横田さんの「社員の幸せを第一に考える」マネジメントを実践することで、組織を活性化できたことは、一つの自信になりました。ただ、職員15人の支店というサイズでの成功、長野ろうきんが「職員が主体的に働く組織」へ変わっていく、その第一歩にすぎません。私の次なるミッションは、第1回の冒頭で触れた長野東支店の改革です。長野ろうきんの旗艦店だけあって、茅野支店に比べると、規模も大きく、業務内容も幅広い。職員の数も多く、価値観もさまざまです。前任者が業績をトップクラスに引き上げた支店のパフォーマンスを、さらにアップさせていくのは、かなりハードルが高いと言っていいでしょう。

常務理事の西澤が、宮田に長野東支店での次なる改革を託した狙いを語る。

「これまで統制管理型のマネジメント主体で成果を上げてきました。このやり方にマネジャーだけでなく職員も長年慣れてきた面があります。しかし、地方の金融機関はよりきびしい時代を迎えます。職員が主体的に働く組織への転換を急いで、成長を続けていきたい。茅野支店に続いて、いま旗艦店の長野東支店で進めている変革は、とても大きな意味をもっているのです」

2020年春の赴任早々コロナ禍に見舞われ、その対応に追われてしまいました。また、茅野支店でのやり方が、長野東支店に当てはまらないものもあります。改革はスピードを重視して強制しても意味がありません。職員自らが「主体性をもって仕事をしたい」という意識になるよう、ベクトル合わせや環境づくりをたゆまずやっていきます。

支店幹部の次長クラスが私の考え方をよく理解し、小集団活動などの支援をしてくれているし、「なでしこユニット」もこの支店らしい活動を展開するようになりました。職員から職場改善の提案が上がってくるなど、意識改革の成果が出ています。

「結果は必ず後からついてくる」

それを信じてやり続けます。