長野東支店の「なでしこユニット」メンバー。彼女たちだけで活動計画を立て、実行に移していく。支店長に細かい決裁を仰ぐことはない。
撮影=大井川茂兵衛
長野東支店の「なでしこユニット」メンバー。彼女たちだけで活動計画を立て、実行に移していく。支店長に細かい決裁を仰ぐことはない。

「不振部門」から「稼ぐ部門」へ

もう一つ大きな変化がありました。住宅融資部門の職員が活性化したことです。それが業績にはっきり表れたのは、2年目になってからでした。

ろうきんの融資部門で圧倒的なウエートを占めているのが住宅融資です。ここが「稼ぐ部門」となっていないといけない。ところが、私が着任するまで、茅野支店の住宅融資部門は、目標に対する達成率が70%前後という低迷状態が続いていました。職員が営業活動に手を抜いていた、というよりは、思うように営業ができずにいたのです。なぜそんなことになっているのか。しばらく様子を見守っていると、理由がわかってきました。

長野ろうきん全体にわたって、コスト面から営業体制の見直しが行われたことが関係していたのです。茅野支店に割り当てられる営業車数が以前より少なくなり、住宅融資部門は他部門とシェアして使う状態なっていました。営業活動がどうしても制約されてしまう。ニーズもあるのがわかっていながら、十分にアプローチできずにいたのです。とくに、お客様を紹介してもらう大切なルート、ハウスメーカーへのアプローチが手薄になっているのが致命傷でした。次長からもそのことについて、改善の提案が上がってきていました。

「急いで専用の営業車を増やさないといけない」。

ただ、これは本部の決裁が必要です。増車で増える費用はローンの融資実績が伸びる分で賄える見込みであることを説明し、了承を取り付けました。

支店経営ではコストセーブを心がけることも大事です。しかし、経営環境が厳しいからと、それ一辺倒のマネジメントになってしまったら、組織は成長しません。必要なものには思い切って投資をしていく。それが私の考え方です。

融資部門用の増車は、まさに現状を打破していくトリガーになりました。

専用の営業車が配車されたことで、職員は自ら営業計画を立てて、住宅メーカーなどに足しげく通うようになり、お客様を紹介してもらえるいい関係ができるとともに、住宅ローンの成約が格段に増えていきました。

それまで毎年未達に終わっていた住宅融資は、2016年には目標を10%も上回る数字を達成。「不振部門」から「稼ぐ部門」へと転換したのです。その後も、以前の数字に比べれば160%~180%という好成績を上げ続けていくのです。