「いまの会社には学ぶことがなくなった」と感じたら

同じ調査では、年齢階級別の賃金も公表されています。たとえば、女性の賃金額がピークを迎える年齢は、宿泊業、飲食サービス業が40~44歳、製造業は45~49歳ですから、転職する年齢によっては、入社してすぐに賃金が下り坂に入ってしまうかもしれません。一方で教育、学習支援業のピークは60~64歳です。40代後半で転職しても、十分に賃金アップが期待できます。

年齢階級による賃金差も公表されています。20~24歳を100として各年齢の賃金水準を指数化したもので、たとえば、50~54歳を見ると、製造業では126.0であるのに対し、金融業、保険業は150.2、情報通信業は176.0などとなっています。年齢差の大きい産業は、経験値が高くなればそれに見合った賃金が得られるのかもしれません。

企業の規模別給与額(月額)

いずれも統計上の数字ですから、企業差や個人差などはあります。一概に判断はできませんが、転職先を検討する際の参考にしてください。

コロナ禍で求人が減り、転職の環境はよいとはいえませんが、「いまの会社には学ぶことがなくなった」と感じたら、次の職場へステップアップする時期です。私自身も23歳で単身渡米してさまざまな職場を経験した後、日本に戻ってファイナンシャルプランナーの仕事を始めたのは、40歳のときでした。チャレンジに遅すぎることはありません。

構成=向山勇

森本 貴子(もりもと・たかこ)
ファイナンシャルプランナー

23歳で単身渡米。プライスウォーターハウスクーパース役員秘書などを経て帰国。2014年から独立系FP会社Gift Your Lifeに勤務。著書に『一生困らない自由を手に入れる お金の教室』など。