子どもは受けられる? 接種したあと薬を飲んでもいいの? 注射を打ったところが腫れたらどうする……? 新型コロナワクチンを接種するときの疑問や不安に、日本とアメリカで診療にあたる医師らのチーム「コロワくんサポーターズ」が答える――。

※本稿は、コロワくんサポーターズ『日米で診療にあたる医師ら10人が総力回答! 新型コロナワクチンQ&A100』(日経メディカル開発)の一部を再編集したものです。

ワクチンボトルから溶液を採取し、注射器に充填する医師の手元
写真=iStock.com/kovop58
※写真はイメージです

Q. どういった人が新型コロナワクチンの優先接種の対象になりますか?

A. 新型コロナワクチンの優先接種対象者と順番は、①感染症患者などに頻繁に接する医療従事者など、②高齢者(2021年度中に65歳以上になる人)、③基礎疾患がある人や、高齢者施設などで利用者に直接接する職員──となっています。医療従事者は職業上の感染リスクが高いこと、高齢者と基礎疾患を持つ人は感染した場合の重症化リスクが高いこと、高齢者施設などの職員は自身が感染すると高齢者に感染を広げてしまうリスクが高いことなどが、接種優先の理由です。これらに該当しない人は一般枠での接種となりますが、ワクチンの供給量次第では③に60~64歳の人も加えることが検討されています。

妊婦については、ワクチン接種の安全性・有効性がまだ明らかでないため、接種順位の上位には位置づけられませんでした(2021年3月現在)。しかし妊婦であることが新型コロナウイルス感染症の重症化リスク因子であることが徐々に明らかになってきており、今後、最新の情報とともにリスクとベネフィットを考えて慎重に対応する方針です。

Q. 高齢者や基礎疾患がある人でも、新型コロナワクチンを打たない方がよい場合がありますか?

A. 高齢者や基礎疾患がある人は新型コロナウイルスに感染した際、重症化や死亡のリスクが高いため、新型コロナワクチンの接種が推奨されています。しかし、次のような場合には、ワクチンを打たない方がよいと考えられます。厚生労働省によると、①明らかに発熱(37.5℃以上)している人、②重い急性疾患にかかっている人、③ワクチンの成分に対し、アナフィラキシーなど重度の過敏症の既往歴のある人、④上記以外で、予防接種を受けることが不適当な状態にある人──はワクチン接種を受けられません。mRNAワクチンは、mRNAのほか、脂質、糖、塩、ポリエチレングリコールなどの成分で構成されていますが、1回目のワクチン接種でアナフィラキシーのような重い副反応が見られた人は、2回目以降の接種は推奨されません。発熱や急性疾患のある人は回復してからのワクチン接種が推奨されていますので、接種の時期に関しては医師と相談してください。

ファイザーのワクチンの「接種不適当者」
● 明らかな発熱を呈している人
● 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな人
● ワクチンの成分に対して重度の過敏症の既往がある人など

「コミナティ筋注」の添付文書を基に作成