今の就活生が選ぶのはどんな企業で、敬遠するのはどんな企業なのか。今回のオンライン座談会では、就活中の大学4年生5人に、会社選びの基準やその見極めかたを聞きました。『Z世代』(光文社新書)の著書がある原田曜平さんが驚いた、若者たちの「意外な基準」とは──。
ファイルを抱える女性
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【座談会参加者】
佐藤 由佳(仮名)/慶應義塾大学法学部4年生
田中 駿介(仮名)/慶應義塾大学法学部4年生
西川 拓也(仮名)/明治大学政治経済学部4年生
池谷 淳平(仮名)/立教大学社会学部4年生
山岸 綾香(仮名)/津田塾大学学芸学部4年生

「まずは大企業」でも転勤は嫌

【原田】今回は、今の就活生が考える「会社選びの基準」について聞きたいと思います。ひと昔前は大手企業や有名企業に入れば安泰と言われていましたが、今は景気やコロナの影響もあって、どんな企業がいつどうなるかわからない時代。皆さんは志望先を決める時、どんな基準で選んでいますか?

【田中】僕はやりたい仕事ができるかどうかです。IT系や広告の企画職に就きたいので、それを実現できそうな企業を選んでいます。そのほか、規模の大きさや持っている事業の数、給料なども基準にしています。希望はやっぱり大企業。将来的には転職するかもしれないので、履歴の中に大きい看板があったほうが有利かなと思っています。

【西川】僕も、大きな軸は好きな仕事に携われるかどうかです。プラス、給料やネームバリューも気にしますね。あと大事なのは勤務地。出身は富山県ですが、このまま東京で働きたいので転勤がある企業は嫌です。

【原田】Z世代は本当に「転勤があるかないか」がかなり重要になっているみたいですね。NHKなんかも就職先としては親戚も親も喜ぶのだけど、転勤がある、という理由で不人気になってきてしまっているようです。これからの企業は転勤を希望制にし、基本的にはローカル採用をしていくしかないかもしれません。

今後25年もちそうな大企業に入りたい

【池谷】僕は皆と違って、やりたいことがまだ見つかっていません。だから今は、いかにコスパよく内定をとるかっていうことに集中しています。僕は体育会系で小中高とずっとサッカーをやっていたので、それがアピールポイントになりそうな企業にローラー作戦をかけているところです。狙っているのは、特にあらためて勉強しなくても内定をくれそうで、ある程度ネームバリューのある企業です。将来的には子どもが大学を卒業するまで働ければいいと思っているので、今後25年ぐらいはもちそうな大企業に入りたいです。

【原田】男性3人からは「大企業」「ネームバリュー」という言葉が出ました。これは意外とクラシカルな考えかたと言えそうですね。今は大企業でも25年もつかどうかわからないのに、それでも「大企業なら安泰」というイメージが続いているのはちょっと驚きでした。それに池谷くん、稼ぐのは子どもが大学を卒業するまでという考えは、これからの時代を考えると甘いような……。女性陣はどういう基準で企業を探していますか?