老化の象徴「ET姿勢」

老けて見える要因の3つめが「姿勢」です。猫背で、まるで映画『E.T.』に出てくる宇宙人E.T.(THE EXTRA-TERRESTRIAL)かのように背中を丸めたシルエットは、まさしく老化の象徴です。

私はこのような状態を「ET姿勢」と呼んでいるのですが、姿勢はその人のメンタルの状態、健康度をはかる指標でもあります。

すっと背筋を伸ばしているだけで、見た目の印象が20歳若返るといっても過言ではありません。

姿勢が悪く、老いて見える原因は「筋肉の減少」

姿勢が悪くなる主な要因は、筋肉量の減少、筋肉のおとろえだと考えられています。

筋肉量は男女ともに、30代以降、加齢するほど減少します。筋肉量と年齢に関する研究はいくつかありますが、2012年の筑波大学・久野研究室のデータによると、20代に比べて、40代では10%、50代では20%、60代では30%も筋肉量が減ってしまうといいます。とくに、上半身に比べて下半身の筋肉量の減少率が大きいのが特徴です。

筋肉量の減少は本人が気づかないうちに徐々に進みますが、筋肉量が減り始めると、姿勢が悪くなるだけでなく、日常的に体を動かすことがおっくうになって、フットワークが悪くなっていきます。

「衰えやすい人」の3つのNG習慣

次に心当たりのある方は、要注意かもしれません。

①電車やバスに乗り込むと、真っ先に席を確保しようとする
②2階に上がるだけでも、階段を避けてエスカレーター、エレベーターを探す
③徒歩圏の移動でも、車やタクシーを使う

このような生活を続けていると、数年後には筋肉はいっそう衰えて、姿勢はますます悪くなり、さらには代謝が落ちて肥満になり、見た目も体の中身もすっかり老化するという悪循環におちいります。

「顔の老化」「ぽっこりお腹」「ET姿勢」が、「老けて見える」3大要因であることは間違いありません。ということは逆に、この3つを解消できれば、「見た目年齢」は一気に若返る、ということです。