「毎日しっかり休むこと」が仕事の効率を向上させる

睡眠の話に戻すと、人は毎日必ず睡眠をとり、この睡眠の質が翌日のパフォーマンスに大きく影響を与えます。

ただどうしても夜に十分な睡眠がとれないこともあるでしょう。そんなときはお昼寝も効果的です。最近では、クロスリバーのクライアント企業でもパワーナップ(短い仮眠)を取り入れるケースが増えています。前職のマイクロソフトでも、社員食堂の横に昼寝用のスペースが設けられていました。私は15分程度の昼寝をすることもあります。

もし夜に6時間以上の睡眠がとれなかったら、日中に30分以内の昼寝をしてみてください。睡眠不足が解消できれば仕事のパフォーマンスが向上することは科学的に証明されています。

欧米の研究では、スポーツ選手に睡眠時間を10時間以上とらせたところ、それだけでパフォーマンスが劇的に向上したという結果も報告されています。

また起床してから13時間程度が経過すると、脳の機能は急激に低下すると言われています。

6時起床なら夜19時までです。それ以降の作業はパフォーマンスが急激に落ちてしまうのです。この脳のタイムリミットを考慮すると、集中すべき仕事、難しい案件、重要な意思決定といった脳の負荷が大きいものは脳が元気な午前中に行うこと、また19時以降はパフォーマンスが下がるので残業せずにリフレッシュや休養にあてて翌日に備えたほうがむしろ効率が良いことがわかります。

越川 慎司(こしかわ・しんじ)
株式会社クロスリバー代表

元マイクロソフト役員。国内および外資系通信会社に勤務し、2005年に米マイクロソフト本社に入社。2017年にクロスリバーを設立し、メンバー全員が週休3日・完全リモートワーク・複業を実践、800社以上の働き方改革の実行支援やオンライン研修を提供。オンライン講座は約6万人が受講し、満足度は98%を超える。著書に『AI分析でわかったトップ5%リーダーの習慣』、『AI分析でわかったトップ5%社員の習慣』(共にディスカヴァー・トゥエンティワン)、近著に『29歳の教科書』(プレジデント社)がある。