ブルーオーシャンで勝負する

今日もあなたのところにいろいろな情報が届いているでしょう。売り込みメールはもちろんのこと、SNSの広告など、少なくても100〜300通は届いているのではないでしょうか?

まさに“レッドオーシャン”です。

「レッドオーシャンでも技術を磨いて勝負する」といった方法もあります。しかし、これほどまでライバルがひしめく中を勝ち抜き、お客様から選んでもらうのは至難の業です。

今はアナログツールを使う人が珍しいと思いますが、私の営業スタッフ時代も、見込み客に手紙やハガキを送る人は10人に1人程度しかいないような“ブルーオーシャン”だったのです。

結果を出している人はライバルの少ない“ブルーオーシャン”に目をつけます。

立ち上がりながら封筒から白い紙を取り出す女性の手元
写真=iStock.com/seb_ra
※写真はイメージです

今、あなたの家にお礼の手紙やハガキがどれほど届くでしょうか? 「そういえばしばらく見ていない」といった感じだと思います。ということは、ブルーオーシャンで勝負すれば、おのずと勝率は高くなります。

たとえば、数人の営業スタッフと会った際、「お礼状」を送ってきた営業スタッフと「お礼メール」を送ってきた営業スタッフのどちらが印象に残るでしょうか? ほとんどのお客様は、お礼状を送ってきた営業スタッフのほうが強く印象に残るものです。

実際の手紙やハガキの送り方・書き方は次項で説明します。

人の3倍アポを取る人のハガキ術

研修先のトップ営業スタッフ、Tさんのケースを紹介します。

Tさんは見込み客に対して定期的に手紙やハガキを送っています。実際にアナログツールで多くのアポイントを取っているのです。Tさんのやり方はこうです。

まず、見込みのお客様の住所を調べて1通の手紙またはハガキを送ります。今はホームページに会社の住所が掲載されていますから、検索すればすぐに出てきます。Tさんはその手紙やハガキに「絶対に損はさせません」と書いて、面談してもらうための自分の強い思いを伝えています。

そして後日、面談のアポイントを取るために電話をかけます。

「アプローチハガキ」の実例

○○様
高崎北部エリアを担当しているABC株式会社の菊原智明と申します。
貴社のランニングコストを軽減するご提案があります。
後日、下記の電話番号からお電話させていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
全力でお手伝いさせていただきます
※ここに自筆で思いを書く
〒000-0000 群馬県高崎市○○町
TEL 000-0000-0000
ABC株式会社 高崎営業所 菊原智明

ただ単に「お会いしませんか?」とお客様に電話しても相手にされませんが、手紙やハガキを送っている分、話を聞いてもらえる確率が上がります。こうして人より3倍も多くアポイントを取っているのです。

一通一通書く時間を省く

この話を聞いて「なかなかできることじゃない」と思った人もいると思います。たしかに一通一通、手紙やハガキを書くのは時間がかかります。

そこですべて手書きではなく、「私はこういったお手伝いができます。後日お電話させていただきますのでよろしくお願いします」というような決まった文章は、パソコンで文字を打って印刷するのです。

そこへ一言、たとえば「ぜひZoomでお会いさせてください」と手書きで添えます。これだけで十分なのです。

手紙やハガキを送るタイミングはお客様に合わせていいと思いますが、「ハガキ」→「メール」→「手紙」→「メール」というようにアナログツールとデジタルツールを組み合わせて交互に送るのも効果的です。

デジタルツール全盛の時代だからこそ、アナログツールでアポイントを取る。ぜひお試しください。