自己責任意識をもつ

飲食業や観光業をはじめ、多くの企業がコロナの影響を受けていますが、私がSNSでつながっている企業経営者のコメントを見ていて気が付くことがあります。

それは「弱音を吐かない」「政府や行政のせいにしない」という点です。

大変な状況であっても、政府の政策に不満があっても、そこで愚痴をこぼすのではなく「それでも自分は何をすべきか」をつねに考え実行しているという印象です。

他人や未来は、必ずしも自分の思い通りにはなりません。

だからこそ、頼らない、依存しない、自分の力で切り開くことを前提に判断を重ねている。また、事業や投資にはリスクはつきものです。リスクがあってもそれを上回るリターンが見込めるかどうか、リスクをヘッジする方法はないか、そのリスクに直面したならどう対応するかを考える。そしてあらゆる出来事を「自分の責任です」と言い切れるように行動している。

こうしたリスクとリターンのバランスを考慮する視野の広さ、自己責任意識の強さがあるからこそ、彼らは起業し成功を収め、富裕層になったのだと考えられます。

マスクから鼻が出ているかどうかとか、マスクの素材が不織布か否かなどと騒いでいる人には出てこない発想でしょう。

つねに優良案件を探している

と、ここまでは事業を興して富裕層になった人たちの話ですが、投資(不動産や株など)で財を成した人たちはどうでしょうか。

端的に言うと、総じて「買い意欲が強い」という印象です。不動産投資家はいまも物件を探しており、株式投資家は安く放置された銘柄を探しています。良い物件や良い銘柄があればつねに買い出動であり、「コロナで様子見」という人は私の周りでは少数派です。

コロナでビビッて委縮したりしないこういう姿勢もやはり、彼らを富裕層に押し上げた原動力の一つのような気がします。

午堂 登紀雄(ごどう・ときお)
米国公認会計士

1971年岡山県生まれ。中央大学経済学部卒業後、会計事務所、コンビニエンスストアチェーンを経て、世界的な戦略系経営コンサルティングファームであるアーサー・D・リトルで経営コンサルタントとして活躍。IT・情報通信・流通業などの経営戦略立案および企業変革プロジェクトに従事。本業のかたわら不動産投資を開始、独立後に株式会社プレミアム・インベストメント&パートナーズ、株式会社エデュビジョンを設立し、不動産投資コンサルティング事業、ビジネスマッチング事業、教育事業などを手掛ける。現在は起業家、個人投資家、ビジネス書作家、講演家として活動している。著書に『33歳で資産3億円をつくった私の方法』(三笠書房)、『決定版 年収1億を稼ぐ人、年収300万で終わる人』(Gakken)、『「いい人」をやめれば人生はうまくいく』(日本実業出版社)、『お金の才能』『お金の壁の乗り越え方 50歳から人生を大逆転させる』(かんき出版)など。