デザイン性も高い商品が増えています
こうした「環境保全への思い」を打ち出しながら、使いやすく、デザイン性も高い商品が増えています。
日本における人口ひとりあたりのプラスチック廃棄量は世界第2位(※1)です。すべてを環境に配慮したモノに変えることは難しいですが、1つでも環境に優しいモノを選ぶことから、始めていきませんか。
例えば、すぐ買える利便性から増えていくビニール傘。「+TIC(プラスチック)」は、「傘の使い捨て消費構造を変えたい!」という思いから開発されました。一見、普通のビニール傘に見えますが、骨組み部分がプラスチックでできているため、リサイクルが可能。金属が使われていないのでさびることがなく、開閉もスムーズ。強風でも壊れにくく、折れにくいので安心感があります。生地部分は柄が豊富なうえ、破れても自分で取り替えられるので、長く使えます。
思いは、新しい製品も生みだします。プロバイクレーサーが、オイルを落とすために使う化学洗剤が人体にも環境にも負荷をかけていることを案じ、「石油は自然から採れるもの。自然には浄化作用があるから、天然素材で洗い流せるはず」と研究を重ねた「masterminerals(マスターミネラル)」もその1つ。地層から採取した高濃度の天然ミネラル成分と植物抽出物のみで作られた、人にも自然にも無害な洗浄剤で、除菌や消臭の効果もあるため、「清浄剤」という新しいカテゴリーが生まれました。シャンプー1回分の排水を魚が住める水質にするには、約200リットルの水が必要ですが(※2)、商品に含まれる80種類以上の元素がさまざまな汚れに入り込んで汚れを分解し、微生物分解を促進するので、水質改善にもつながります。
ここ数年、海外でも注目されているのが、繰り返し使えるエコラップです。「野菜をおいしく保てる手触りの良い商品を使うことで、キッチンでの時間が楽しくなる。それが結果的にエコにつながればうれしくなる。そんなふうに、使った人が環境について考えるきっかけの一枚になれば」という思いから生まれた、日本生まれの「aco wrap(アコラップ)」。
オーガニックコットン生地を職人が天然染料で染め、国内で採れた蜜ろうをベースにしたオイルをコーティングしたもので、手の温かさで蜜ろうが柔らかくなり、食材や食器にくっつきます。耐熱ではありませんが、蜜ろうには抗菌効果があるため、切ったショウガやニンジンなどを包むのもお勧めです。半年から1年ほど繰り返し使え、最後は土に埋めれば自然界で分解されて土に還ります。
※1国連環境計画(UNEP)報告書「シングルユースプラスチック」
※2環境省ウェブサイト「生活排水読本」