IRの貴重なスペシャリストとして50歳を前に「収入アップ転職」に成功
新卒で入社したオムロンに26年もいましたから、転職が決まって退職届を出したとき、体が震えました。骨をうずめる覚悟でしたし、愛着がある会社なので。そんな私がなぜ転職しようと思ったかというと……。10年経験したIRの部署から、新規事業の部門にマーケティング担当として異動になったのがきっかけ。これまで培ったキャリアが生かせないし、違う会社に行くのと変わらないので、IRをもっとやらせてくれる会社に転職したほうがいいのではないかと悩みました。
そこまでIRにこだわったのは、それぐらい好きな仕事だったからです。投資家と面談して会社の業績を説明するだけでなく、経営者と経営の課題を討議して、会社の未来を考えていくのがこの仕事の魅力です。財務、経営戦略、事業戦略など、会社のすべての重要な情報が頭に入っていないと、投資家と会社の仲立ちができません。会社を動かし、変革するぐらいの影響力を持つことができます。
オムロンにいたとき、会社の1年間の報告書である「統合レポート」は、決して大げさではなく毎年魂を込めて作成。経営層のメッセージを研ぎ澄まされた印象にするため、何度も推敲して膨大な時間をかけて作りました。