リモートワーク環境で女性活躍社会は実現する!?
新型コロナウイルス問題は、いまだ出口が見えません。当初の勢いが衰えてきたとはいえ、通常のコロナウイルス(風邪などの原因)が寒い季節に活性化することを考えると、もしこのまま治療薬もワクチンもできなければ、今年の冬は世界中の国々が巨大な第2波におびえる日々が続きそうです。
しかし本誌でも述べましたが、悲観的なことばかりではありません。日本はほかの主要国と比べて相対的に患者数・死者数が少ない(つまりリセットしやすい)うえ、この機会にリモートワーク環境が整えば、将来的に女性に有利な職場環境にもつながります。
というわけで、今回はそのテレワークと女性活躍について考えていきましょう。
実はリモートワーク推進については、政府は新型コロナ問題が起こる前に、すでに方針を発表しています。その目的は「働き方改革」「女性活躍社会」「東京オリンピック時の渋滞緩和」などでした。
たとえば2019年に内閣府男女共同参画局が発表した「女性活躍加速のための重点方針2019」には「テレワーク(※)の推進」という項目があり、テレワーク・デイズ(一定期間テレワークを実施してみる試み)の拡充、セミナーの開催、専門家の派遣、地方への経費補助、労働時間管理のためのガイドライン整備などをめざす旨が書かれています。
※リモートワークと同義
しかし実際には、予期せぬ新型コロナ問題のせいで、政府の方針よりはるかに早くリモートワークが浸透しました。2020年4月の緊急事態宣言後、政府が企業に「出社率7割減」を要請したため、各企業ともリモートワークを進めざるをえなくなったからです。そのせいで環境整備が不十分なまま「出社不可欠な社員以外は原則リモートワーク」に切り替える企業が増え、会社員と公務員のリモートワーク実施率は、昨年11月が17%だったのに対し、5月には47%と、実に3倍も急増したのです。
それと同時に私たちには、パソコン・スマホ・Wi-Fi環境を駆使しての自宅勤務や、Zoom(どこからでも参加できるweb会議ツール)での会議・飲み会など、今までになかった新しい日常が訪れました。