「男性的なリーダーシップが固定化」する問題
女性が管理職になるのを敬遠しがちなのは、家庭重視のバイアスのためだけではありません。
変化してきているとは言っても、今の管理職のリーダー像が「ついてこい」と言わんばかりの男性的なリーダーシップで固定化されていることも大きな理由でしょう。管理職はまだまだ男性のほうがずっと多い。そのせいで、「ついてこい」タイプに見える女性が数少ない女性管理職になっていたり、あるいは意に沿わぬままそれを演じていたりする。それを見た若い世代の女性が「私には、ああはなれないな……」と敬遠する。これでは、性別についてのアンコンシャス・バイアスは逆に強化され、固定化されたイメージのリーダーが再生産されてしまいます。
すでに以前の記事でも述べましたが、一般社員がアンコンシャス・バイアスを克服するためにも、以下の3つのステップを踏みます。
2)「気づく」ステップ:自分と周囲にどんなバイアスがあるかに気づく
3)「コントロールする」ステップ:どうすれば自分の中にあるバイアスをコントロールしていけるかを学ぶ
「若いから」「女性だから」とうバイアスが邪魔をする
ここまでは管理職と変わりませんが、部下を持たない若手・中堅の一般社員には、また違ったアプローチが必要です。留意点として、学ぶ目的の1つに主体的なキャリア形成を置くこと。仕事か家庭かの2択で家庭を選び、キャリアをあきらめる……という思考に陥っている女性に対して、自分の中のアンコンシャス・バイアスに気づいてコントロールしていけば、両立はできるし主体的なキャリア形成も可能、ということを伝えていきます。
両立という点では、産休後の復帰はすでに普通の事になっていますが、昇進やキャリア・アップについてはまだ二の足を踏む方が多いのも事実です。若いうちに自分なりのキャリアを具体的に思い描けていたら、もっと前倒しでキャリアを積めるはずですし、そういう機会は20代でも自分から取りにいけます。でも、自分は若いからとか、女性だからというバイアスゆえに上司に話せない人もいます。それでチャンスを得ることができないとしたら、大変もったいないことです。