※本稿は尾原和啓『あえて数字からおりる働き方 個人がつながる時代の生存戦略』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。
コロナが加速させる「個人主体」の働き方
インターネットとテクノロジーの発展によって、ビジネスは個人が主体になって成立できる時代になりました。
たとえば、これまで企業が主体となって行なってきたホテルやタクシーなどのサービスも、インターネットで、個人の細かな需要(何月何日に泊まりたいなど)と、個人の供給できるサービス(何月何日なら泊められる)をつなぐことができるようになりました。ウーバーやエアビーアンドビーといったサービスがはじまり、今ではグローバル規模で展開するようになっています。
このように、かつてなら遠くに離れていた個人とサービス、需要と供給を、物理的距離や時間に関係なくインターネットがつないでくれるようになったことによって、企業を主体としなくても、個人が寄り集まってサービスを展開したり、仕事をしたりできるようになったのが、今の時代の大きな流れといえるでしょう。この点は、企業に勤める人もリモートでできる副業を持つことが安全弁にもなるため、新型コロナウイルスの影響で加速していくと私は考えています。
特にポイントとなるのは「遠く」という点です。正解が見えているときは、近くの同質性の高い強い群で一丸となって進むことが大切ですが、どこに変化が起きるかわからないときは、ゆるやかに遠くの物に分散することで、どこかが沈んでもどこかが生き残ることが大事になってきます。