なぜ、ストローだけ紙製……?

【加藤くん】今、プラ製ストローを紙製に変える動きが進んでいますよね。でも、そうしたからってその店に行きたくはならない。ストローは紙製にしたのに、もっと多くのプラスチックを使う容器がそのままなお店は不思議。SDGsを掲げているのに、踏み切れていない感が否めないです。せめて、レジ袋やプラ製ストローをやめることでどれぐらい環境負荷が減るのか、数値でわかりやすく提示してくれたら意欲が湧くかもしれない。

【富山くん】数値もいいけど、若者に興味を持たせるなら、エンタメ性も交えながらさりげなくアピールしたほうがいいように思います。例えばコカ・コーラ社の「い・ろ・は・す」は、飲み終わった後のボトルを小さく潰せますよね。ねじって潰すって単純に楽しいし、ゴミの減量化にもなる。いいアイデアだなと思いました。

自分たちもターゲットであるというメッセージを

【寺田くん】SDGsって、若者にとってはまだ「遠い国の誰かを救う」「地球を救う」みたいなイメージだと思うんですよ。もちろんそれも尊いんだけど、もっと自分ごと化できるようにすると、ハッとする若者が増えるのかなと。SDGsには、自分たちもターゲットでありアクターでもあるんだよっていうメッセージがあるので、企業はそこを強調してあげるだけでも意義があると思う。「自分たちの問題だよ」って発信し続けてほしいですね。

【原田】企業の取り組みについて、さまざまな意見が出たね。現段階では、SDGsへの取り組みがそのまま就活や消費に結びついてはいないようだけど、アイデア次第では若者に興味を持たせるきっかけになることがわかったよ。それに、将来を見据えて発信し続けることも大事なんだね。

以前、SDGsへの意識が高いとされているスウェーデンやデンマークで、若者の意識を調査したことがあります。日本では社会保障の充実ぶりがよく取り上げられますが、その分現地の若者は覇気がなく、お金もなくて消費意欲が低い傾向にありました。しかし、環境にいいものは多少高くても買うという意志が強く、その点には非常に感動しました。

日本では、若者の意識はまだそこまで至っていないようです。ただ、自分にメリットがある、あるいは自分ごととして捉えられる取り組みには興味を持つので、企業はそこを押さえた上でアピールしていく必要があるでしょう。短期的には消費や採用に結びつかなくても、彼らも企業の取り組みを入り口として、いつか北欧の若者と同じ意識を持つようになるかもしれません。その未来に向けて、長期的な発信に取り組んでいただければと思います。

構成=辻村洋子 写真=iStock.com

原田 曜平(はらだ・ようへい)
マーケティングアナリスト

1977年生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、博報堂に入社。ストラテジックプランニング局、博報堂生活総合研究所、研究開発局を経て、博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー。2018年よりマーケティングアナリストとして活動。信州大学特任教授。2003年、JAAA広告賞・新人部門賞を受賞。著書に『平成トレンド史』『それ、なんで流行ってるの?』『新・オタク経済』『Z世代 若者はなぜインスタ・TikTokにハマるのか?』などがある。2019年1月より渡辺プロダクションに所属し、現在、TBS「ひるおび」、フジテレビ「新週刊フジテレビ批評」「Live News it!」、日本テレビ「バンキシャ」等に出演中。「原田曜平マーケティング研究所」のYouTubeチャンネルでは、コロナ禍において若者の間で流行っていることを紹介中。